子貴洋に出来ることは何一つとしてなかった
重度の腎臓病である唐澤洋はカテーテルを挿入されるだけで泣き叫び
また、内臓に移転したガンの数は六つ以上あったものの
我が父の安寧を慮る子貴洋に出来ることはなにもなかった
無力の甲斐もあってか、72の遅い冬を迎えた唐澤洋が濁ったどろどろの喀血を吐き出すようになると
子貴洋は唐澤洋への関心を失くし、あとは看護師に任せることにした
切ないのは唐澤洋である。彼は有能だったがその子種は無能だった
彼は今日もお世話になっている看護師にセクハラをして暇を潰す
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