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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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知りたくなかったことだってある。

何でも冒険だとかチャレンジだとか言うけれど後先考えない行動はいつか後悔に繋がる。自分がホモだったこと。恋をしてはいけなかったこと。一つ一つが僕の中に刃となって突き刺さる。僕は本当に生きていてよかった?あの笑った顔も怒った顔も全部僕だけの物にしたいと思った。叶わぬ恋と知っていながら。でも諦められない。だってそうだろ。そんなことだけでは諦められないぐらい彼に対して好きと言う気持ちを抱いているということを恋と言うのだから。恋なんてただの故意なんだ。こんな気持ちをずっと抱えていくのは駄目だ。いつかきっと爆発して僕たちの関係はもっと取り返しのつかないことになりそうだから。だからって諦める勇気はない。力はない。


そんな僕に何が残る?残ってくれる?


貴方は、そばに居るよと言ってくれる気がする。いや、言ってくれる。優しいから。でもその優しさがきっと僕の中にある醜い気持ちをブクブクと膨張させていくに違いない。もっとそばに居て欲しい。僕以外見えないようにしてやりたい。


ユンギヒョンにもナムジュニヒョンにもホソギヒョンにもジミニヒョンにもテヒョンニヒョンにも渡さない。僕だけのジニヒョンなんだ。


『ジョングガしかっいないのっ♡♡♡』


僕のモノでしかイケないような体にしてやりたい。


でももう意味はないから。今日もお腹が空いて自分の気分に合わせてご飯を食べて寝る。一見充実してそうな生活の裏を返せば貴方がいない。それだけで僕の中の『充実した生活』の基準が大きく変わってくる。貴方がいればそれでいいのに。貴方の温もりを感じたい。

好きっていってキスして結婚して。男同士の何がそんなに駄目?恋に性別なんて関係ないんじゃないの?綺麗事ばっか言ってる奴はそういう人を見たことないから。その人の立場になってないから。生まれたときから神様という不平等な奴が与えた『常識』という理不尽なものにこうやって振り回されてる人がいる。

誰も助けてくれなくて。ただ僕の中に彼がいない。みんな僕には気づかず死んでいく。生命を繋ぐ。そんな世界をさ迷っていくだけ。では彼がその中の一人だったら?誰かと幸せになって子供に恵まれて素敵な家庭を築いて生涯を終える。僕以外の誰かと。


嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ


彼が僕以外の誰かに取られてしまうことが。考えるだけでも吐き気がしてしまう。僕はまだ待っている。終わりの来ない帰りを待っている。貴方の優しく暖かい大きな手が僕の目の前にスッと現れて差し伸べてくれることを。信じている。いや、信じていなくたって彼はそうしてくれる。僕が家を出ていったらきっと心配して眠らず僕を探してくれる。そんな人だから。だからみんな恋に落ちてしまう。僕だってその一人だった。


______________________________________


🐯「ジョングガ、おい、ジョングガ!!!」


ドア越しに聞こえる低い声。僕の大嫌いな彼だった。

🐰「…なんですか。」

🐯「出てこいよ。みんな心配してる。」

🐰「…どうでもいいです。」

🐯「どうでもいいってお前なっ!!ヒョン達がどんな思いでお前の事っ!!」

🐰「お説教はもうこりごりです!!!」

🐰「何も知らないテヒョンニヒョンに何も言われたくないです!!」

🐰「もうっ、もうっ…ほっといてください……」

🐯「………どうしてジニヒョンと距離を置くの?」

🐰「えっ?何で知って、」


隠してきたつもりだった。テヒョンニヒョンのように顔に出るタイプでもないからきっと誰にもバレずにこの気持ちを抱えていくんだなと思ってた。


🐯「見てれば分かる。きっとみんな気づいてるよ…で?何で?」

🐰「…ジニヒョンのためです…これ以上ヒョンを汚したくないんです…だから仕方ないでしょう…」


🐯「ジニヒョンは泣いてた。」


🐰「……ぇ?」


🐯「一人で悩んでた。自分が何かしちゃったんじゃないかって自分を責めてた。お前にとってこれもどうでもいい話?」

🐰「そんなわけっ!!」


『無い』

その言葉が出てこなかったのは自分にいう資格がなかったから。自覚していたから。僕の行動でジニヒョンを気づつけていた…?


🐯「お前は嫌われてしまうのが怖くてジニヒョンと距離をおいていたんじゃないのか?自分のために。」


ジニヒョンの為じゃなく、自分のために。

あぁ、そうか。そうだったのか。なんて簡単なものでは済まされないぐらいの罪悪感と苦痛が僕を襲った。僕が、僕が消してしまったんだ。ジニヒョンを。触れただけで壊れてしまいそうなこの関係も幸せも日常も全部僕のせいだったんだ。


気がつけば自分の頬に生暖かい水滴がつたっていた。


🐯「お前のせいだよ、ジョングガ。俺はジニヒョンみたいに優しくないから言ってやるよ。言いたいこと。でもな、これで自分はいらない存在なんだ、とか言う被害妄想はマジでやめろよ。言いたいことがあるんだったら口にしろ。」


🐯「それがお前だろ。」


そうか、これが僕なんだ。我が儘で甘やかされて意地っ張りで負けず嫌い。これが僕だった。自分で言うのは何かモヤモヤするけれど認めてあげるんだ。これも僕なんだって。そうしなきゃ生きていけないから。


『自分を愛させない人は誰も愛せない。』

『誰も愛せない人は誰からも愛されない。』

『誰からも愛される子になるんだぞ。』

『チョンジョングク。』


デビューしたばかりの頃僕にかけてくれたジニヒョンの言葉。

今、やっと意味がわかった気がする。僕が僕を愛せば僕はジニヒョンを愛することができる。僕がジニヒョンを愛したらジニヒョンも僕を愛してくれる。そう信じて待っているから。



自分の言ったことに責任持ってくださいよ_________________


僕は悪魔のような笑みを浮かべると心配しているだあろうヒョン達がいるリビングへ向かった。それから吹っ切れたように我が儘マンネに戻った。

これが二年前の話。僕は今でもヒョンの言葉を信じている。


🐰「忘れたとは言わせませんからね!!!!」


彼の瞳が欲しい 終わり

お姫様ソクジナがただ単に愛される短編集。

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めっちゃいい〜もうエモいよ〜 最後の「忘れたとは言わせませんからねー」がもうマンネかんありありで尊い〜 今後とも頑張ってください! 応援してますね!📣 ♡押して待ってます!

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