第2章「仄暗い願い」その7
香島扮(ふん)する、ある青年が一人、歩いている。
その後ろを、岡島扮する少年が歩いて追いかける。
「……」
「……」
早足だった青年の足が突然止まる。
驚いたのか、びくりと肩を震わせた少年も足を止めた。
青年が振り返ると、少年は一歩下がって固まる。
「さっきから何(なん)だ。俺の後をずっと付いてきて」
「……」
「こっちは会社帰りで疲れてるんだ。迷子ならもっと親切な人のところにいってくれ」
「……」
少年は、とても不安そうに顔を上げては、また下げてしまう。
「……何なんだよ」
ため息をもらした青年は、疲れきっていた。
そこに。
「――どうしたんだい君(きみ)たち。道の真ん中で」
直木扮する、妙に明るい声の男がやってきた。
青年と少年を交互に見ながら、二人の間に立つ。
「誰だよ、アンタ」
「……」
青年も少年も、男のこ*******
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