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ジーク「うううぅ…あぢぃ…」
イリア「表情を見る必要があるから前髪どけても大丈夫かしら?」
ジーク「大丈夫…」
イリア「じゃあ失礼するわ…ん、火傷…痛いかしら」
ジーク「いいや、何年も前のものだから触れるだけなら痛みは感じない。…ちょっと見られるのはアレだが…」
イリア「手短に終わらせるわ。うん、軽い熱中症ね。溺れても困るし、良くなったらシリルの見てるとこでオアシスにでも入って。アリィも。何か体に異変は?」
アリィ「えっ私も?」
イリア「ついでよついで。」
アリィ「特にないけど…足がちょっとプルプルするくらいかな…」
イリア「…捻挫をしていると言ってたわね?」
アリィ「うん。」
イリア「砂漠は砂で足がもつれるから、負担がかかりすぎたのね。次はペースを落としていきましょ。座って休んでいて。」
アリィ「…なんか本当に対等な関係なのかな、私達してもらってばかりな気が…」
イリア「どんなに優れた人がいても環境がその人にあっていなければダメなものよ。期待しているわ。」
アリィ「が、がんばります…」
イリア「そうプレッシャーに感じないで。それに私達の方が年上だから、頼ってくれるくらいがちょうどいいわ。」
ジーク「…2人って何歳なんだ?」
イリア「17よ。シリルは…よく分からないの。初めて聞いた時、なんて言ったと思う?」
アリィ「…まだ人がよく分からないから…なんて言ったの?」
イリア「推定で18。って。」
ジーク「推定…?」
イリア「私も思ったわよ。推定…!?って。後から聞いてみたらね…傭兵になる前の記憶は全部抜け落ちてるんだって。」
アリィ「記憶喪失ってこと?」
イリア「そう。まぁ本人は一切気にしてないみたいだけど。年齢はないと困るから外見から適当に決めたらしいわ。」
ジーク「そ、そんな…いい加減でいいのか…」
イリア「ああ見えても自分のことに対しては大雑把なところがあるのよね。」
雑談に花を咲かせていると、誰かのお腹がぐぅ〜と鳴る。
アリィ「あ……あはは…お腹空いちゃった」
イリア「もうこんな時間だものね。2人は体を休めて頂戴。私とシリルでご飯を作ってくるわ。」
ジーク「あ、ちょっと待ってくれ。頼みたいことがあるんだけど…」
イリア「?」
ジーク「料理するなら、この環境じゃ腐りかねないし…ポルポル。」
屋内に入ってきたポルポルに対してジークは話しかける。
ポルポル「ギッ!?」
ポルポルは、なんで気づいたんだ!?とでも言うように、驚く。
ジーク「荷物下ろしてくれ。」
ポルポル「ギッ」
ポルポルは少し驚きながらも、荷物を出す。
ジーク「えっと…確かここに…あ、あった。」
ジークが荷物の中から、更にバッグを出す。
イリア「二重…!?」
ジーク「そのまま入れる訳には行かないからな。安心してくれ、ちゃんと清潔で冷凍保存が出来るやつだから。はいこれ、無理にとは言わないが使えそうなら使って欲しい。」
ジークがそう言ってバッグをイリアに渡す。イリアは大人しく受け取ってバッグの口を開ける。
イリア「…これ生肉?」
ジーク「そう。この砂漠だと腐りかねないから、早めに使って欲しくって。」
イリア「…く…」
ジーク「…?」
アリィ「何か言った?」
イリア「ひ、久しぶりのお肉…もう何週間ぶりかしら…最高!ありがとう!しっかり使わせてもらうわ!やっぱりなしっていうのはなしだから!」
ジーク「お、おう…」
イリアはスキップをしながら、シリルの元に行く。
アリィ「もしかしてあまり狩りは得意じゃないのかな?」
ジーク「案外苦手なのかもな。…にしてもあれ買って正解だったな。あの砂漠でも一日とはいえ腐らなかったんだから。」
アリィ「大枚はたいたかいがあったね。でもあれどういう仕組みなんだろあれ。」
ジーク「さぁ…?」
イリア「おにくっ、おにくっ!」
シリル「随分ご機嫌で可愛いリアクションだね。一層好きになっちゃうな。」
イリア「何言ってるのよもう。そんなことよりお肉よ!お肉!」
シリル「何の話?」
イリア「今日のお昼ご飯はお肉よ!」
シリル「お肉…?でも僕達、お肉なんて持ってないけど…」
イリア「ジーク達が持ってたのよ!腐りかねないから使ってくれだって!」
シリル「なんかごめんね…狩り僕下手で…食材調達は仲間に任せっきりだったからなぁ…」
イリア「ち、違うのよ。そういうつもりで言ったわけじゃないのよ…!」
シリル「分かってるよ。でも旅の道中で、お肉が食べられるのはいいね。栄養が豊富だから。一緒に行くことを選んで正解だったね。」
イリア「そうね!!」
アリィ「いい匂いしない?」
ジーク「ん、ほんとだ。」
イリア「なんだもう気づいたの?」
鍋を持ったシリルとイリアが屋内に入ってくる。
シリル「ご飯出来たよ。火もちゃんと消して後処理したから安心して。」
ジーク「おお、美味しそう。」
イリア「この先のことも考えて好きなだけ食べて。よっぽど足りると思うわ。」
アリィ「自信満々だね。」
イリア「なんせ、シリル2人分で考えたもの。」
アリィ「シリルって大食いなの?」
イリア「ええ。ほんとに食べるのよ。」
シリル「言っておくけどそんな節操ないわけじゃないよ。我慢もできるし…」
イリア「我慢はしちゃダメよ。別にそこまで大変じゃないし、いっぱい食べてる貴方は素敵よ。」
ジーク「うわ人たらしだ。」
シリル「だよねぇ。僕もそう思う。嬉しいけど皆に言ってるんじゃないよね…?」
イリア「私はいつだって本音で喋ってるわよ。」
アリィ「それは流石に嘘でしょ…」
イリア「ほんとよ。ほんと。さぁ、食べましょう。はい。」
イリアがスープを入れたお皿を皆に配る。
アリィ「ありがと。」
ジーク「ありがとう。スープか。」
イリア「ええ。はい、シリルも。」
シリル「ありがとう。人によって合うご飯は変わってくるから今回は貴方たちに合わせてスープにしたわ。」
アリィ「よく私達のご飯がスープなことが多いの分かったね。どうして?」
イリア「簡単よ。他の人より水分が必要なら絶対に水分が失われる系じゃないだろうし、水分そのもので言ったらやっぱりスープかなって。」
アリィ「おお…!すごい…大正解…!」
ジーク「美味しい。」
イリア「それはよかった。」
アリィ「私達だけこんな気を使ってもらって申し訳ないし…今日の夜ご飯は私達が作るよ。えっと…ドガール国は何を食べるの?私知らなくって…」
シリル「別大陸の国だもん。知らなくても無理ないよ。イリアがたまたま詳しかっただけだよ。」
アリィ「えっ別大陸なの?」
イリア「ええ、驚くことかしら?」
ジーク「…何気に気になってたんだけど、お前らどうやって大陸を渡ったんだ…?大陸を渡るためには身分証明が必要なはず…」
シリル「え?泳いで。」
イリア&ジーク「泳いで!?」