勇斗Side
あれから暫く2人で探してみたが‥指輪は見つからなかった‥。
「藍、明るくなってからまた探そ?案外早く見つかるかもよ」
努めて明るく話しかけてみる。明日になれば、見つかるかもしれないと‥少しでも藍の気持ちが軽くなれば‥と思って。
俯いている藍の正面に向かい、そっと雪のかかった頭を撫でてみる。
「寒くなってきたから、行こ?」
俺の声に‥うん、と小さく頷く。そして、しきりに”ゴメン“と謝る藍の手を握り、お店に戻る事にした。
落とした物で頭がいっぱいなのだろう‥ずっと俺が手を繋いでいても何も言わなかった‥。
指輪って‥‥‥誰から貰ったんだろうか?‥‥‥
気になって仕方なかったが‥藍の表情を見ると何故か聞けなかった‥。
小川Side
「なぁ、藍達遅くね?」
「確かに‥どこ行ったんだっけ?」
‥2人が出ていってから、だいぶ時間が経っていたと思う‥。
さすがに遅すぎる‥‥。
何かあったんだろうか‥?
そう思い、藍の携帯に連絡をしようとした時‥祐希さんの隣にいたエリカが‥何がそんなに面白いのかキャッキャッと笑っている声が響いてきた‥。
「‥祐希さんも祐希さんだよなー。いくら距離置こうって言ってたかもしれないけど、今日ずっとあのモデルと一緒にいるじゃん、藍からすれば面白くねぇのに‥」
「んー‥いや‥お前気づかない?」
俺のボソボソと喋る声に、智さんが2人を小さく指さす‥
「祐希、よく見てみ?さっきもだけど、入口気にしてる‥多分、藍と勇斗を待ってるんじゃないかな」
そう言われて祐希さんをよく見てみる‥確かに時折チラッと入口を見て何かを待っている様子だった。
「最初のお店でも、祐希は藍を気にしてたよ。」
「まじで?てか、智さんよく気づくね?」
「祐希と何年のつきあいだと思ってるんだよ笑」
その時‥
入口の方で声がしたので見てみると‥
藍と勇斗が戻ってきた。
藍Side
かなり遅くなってしまった‥指輪の事もあり、入口で躊躇ってしまう俺を、勇斗が優しく促してくれる‥。
「やっと来た!」
入るとすぐに小川さんが駆け寄る。
心配するから、ちゃんと連絡しろ!と怒り口調だった‥。
席に着き、これまた隣に座った勇斗が、飲み物やら食べ物を色々と俺の前にセッティングしてくれる‥気を遣わせてばかりな状況に申し訳なくて、下を向いてしまう‥
そんな時‥
「藍?大丈夫?具合悪い?」
離れた位置に座っていたはずの太志さんが、俺の側に来て、顔色を伺っていた。
「大丈夫っす」
心配かけまいと笑ってみせたが、太志さんはそんな俺の顔を見て、”何かあったら言えよ“と、ポンっと肩を叩いて自分の席に戻っていった。
遅れて到着してから30分ぐらい経っただろうか‥。盛り上げようといつも以上に喋る勇斗を隣りで見ていたが、ふと‥祐希さんが席にいないことに気づいた。
どこに行ったんやろ?トイレ?
‥‥‥‥‥。
トイレ、行ってこー‥。
誰に言うわけでもなく、そう呟き席を離れる‥。
トイレに来てみるが‥祐希さんはいなかった‥。
ココじゃないのか‥。
席に戻ろうとしたが‥どうしても指輪が気になり‥少し外に出てみようと入口の方に向かうと、廊下の隅のところに祐希さんの背中が見えた。その正面には‥‥
エリカさんの姿が見える‥‥‥。
何か‥2人で話しているのはわかるが‥会話は聞こえない。
見たくないな‥
そう思うのに2人から目が離せない‥
そんな時、祐希さんの頭がゆっくりとエリカさんの方に屈む動作があり‥‥‥そこにエリカさんの顔が重なったように見えた‥‥!
心臓が‥痛い。
一歩、一歩と後ずさる‥。
早くこの空間から逃げたい‥。
心は急かすのに、俺の足は動こうとしなかった‥。
2人の動作がスローモーションのように感じる‥
その時、
‥祐希さんが頭を上げようとした時、ちょうどエリカさんと目が合ってしまった‥‥‥。
「藍?遅かったね」
席に着くと、勇斗が心配そうに話しかけてくれるが、それに答えることも出来なかった‥。
キス‥‥‥‥
してたよな‥‥‥‥。
最後に、エリカさんと目が合った時‥‥‥‥‥‥
エリカさんは俺の顔を見て‥‥‥‥‥
笑っていた‥‥‥‥‥‥。
コメント
8件
ゆうきさんも、 反省してくださいw 続き待ってます❤
えりか最悪☆ すみませんぬ
エリカさ~ん?😡 早く祐希さんに気づかれて祐希さんにシバかれて嫌われてくれー😭 (言いすぎましたすいません!主さんの作品最高です!!)