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真衣香はパソコンに関しては、何とか基本操作と言われることができるだけ。
少し難しいことになると、頭を抱えるし。
時間に追われながら正確に社外の受発注を受けているわけでもない。
『社内対応が主な仕事なんて楽だよね』
『ミスも謝れば済んじゃうし、いいな』
『気をつけるのって来客対応くらい?』
『それも、応接室に案内してお茶出すだけでしょ』
『これで同じ給料とか』
散々言われてきた、入社して配属が決まってからの2年間。
希望して決まった配属ではなくとも、適任だと思われ配属されたのだろう。
そしてそれに甘んじて日々を生きてる。
甘んじている、と。
坪井が真剣にパソコンと向き合う姿を見て、更に実感してしまった。
「私が営業部にいけるような人間だったら、坪井くんに迷惑かけなくても終わってたのにな」
「ん?」と、坪井が真衣香を見て首をかしげる。
「なんていうか……、出来の悪い同期でほんと、ごめんね」
あはは。と最後に微妙な笑い声を付け加え、わざと明るく言ってみせた真衣香。
それを見て坪井は困ったように眉尻を下げて口元だけで微笑んだ。
「だから、元々俺の仕事だったから。凄いんじゃないよ、関係ない仕事させて俺がごめん、だろ」
そう言って真衣香の頬に包むように触れ、親指でやんわりと撫でる。
「てか立花さ、ちょっと自己評価おかしいよ」
「……そうかな」
真衣香が返すと、坪井は椅子に座ったまま向き合って頷く。