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紫藤先生の伝令により、白虎隊に緊急任務が入る。
『敵幹部・黒連が、ほのかの家の周辺に出没。接触または拉致の可能性あり―即刻出動せよ』
楓の目が見開く。
「……なんで、よりによってほのかの家なの……?」
むつる(光流)が静かに言う
「狙われてるのは、お前じゃなくてーーほのかだよ」
楓は焔を纏い、闇夜に溶ける。
むつるは光の刃を指先に構え、屋根の上を音もなく駆ける
その時ーー
バシュッ!!
建物の陰から現れた黒連が、鋭い手裏剣をほのかの家へ投げ放った。
「封印を壊すまであと少し……!」
その瞬間ーー!
「ほのか!伏せてッ!!」
ドカン!!
炸裂する爆炎。その中から現れる赤い影
ーー炎熊(楓)
続けて、光の結界が展開され、黒連の攻撃をはじく。
屋根の上に立つ、白い光の衣をまとった少年ーー光流(むつる)。
ーーだが、その姿を……玄関に飛び出していたほのかが見てしまう。
「……うそ……炎熊……って、楓……?」
黒連は姿を煙にして撤退
楓とむつるは追撃しようとするがーー背後からほのかの声。
「待って!楓!むつるくん!?本当に……あなた達なの?」
立ち止まりそうになる楓の腕をむつるが掴む。
「ダメだ、楓。今は任務が優先だ」
「……っ」
楓は振り返らず、ただ一言を残して消える。
「ーーごめん、ほのか……」
翌朝・ほのかの部屋
布団の中でほのかは、昨夜の幻を思い出していた。
あれは夢だったのか。でも、あの光あの炎、あの声……どこまでもーー楓でむつるくんだった。
カーテンの隙間からあさひが差し込む。
「……もう、誤魔化せないよ。楓……」