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昼休みのチャイムが鳴った瞬間、教室の空気が一気に崩れる。
「っしゃああ!解放!!」
誰よりも早く立ち上がったのはクラスの人気者、ぺいんとだった。
「ぺいんと静かに。先生まだ廊下だよ?」
「やっべ!」
苦笑しながら注意するのは優等生で成績トップ常連のクロノアさん。
そして話しやすくてみんなに好かれている。
「まぁ気にしない気にしない!な、しにがみ!」
「僕に振らないでください!」
窓際の席で弁当を広げているのはしにがみ。
この物騒な名前とは裏腹に、見た目は小柄で可愛らしい。
「てか近いです!」
「そんな冷たい事言うなってしにがみ〜」
「うるさぁーい!」
そんな2人のやり取りを、後ろから遮る影。
「よ!昼食べたら体育館行かん?」
声も体もでかい。
背が高く肩幅も広い、スポーツ万能なトラゾーだ。
「昼休みはゆっくり休む時間!」
「動いた方が休みになる!」
「むしろ疲れるだろー!」
ぺいんとがツッコむと、クラスの何人かが笑った。
クロノアさんはそれを見て、少しだけ目を細める。
「…ほんと、毎日騒がしいよね」
「今更って感じですね」
しにがみは淡々と弁当を口に運ぶ。
「でもさぁ」
ぺいんとが急に真面目な声を出した。
「こうやって4人でバカやってんの、結構好きなんだけど」
一瞬、沈黙
「…急に何言ってるんですか」
「ぺいんとらしいね」
「腹減ってんじゃねぇの?」
三者三様の反応に、ぺいんとは大笑いした。
「…?」
「ほら!そういうとこだよ!」
クロノアさんは苦笑しつつ、どこか安心したように言う。
「まぁ…悪くはないかな」
昼休みは短くて、高校生活は思っているより早く過ぎていく。
好評でしたら続けます。