テラーノベル
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そんな訳で、午後は本気の釣りだ。
場所は北側の岩場の先。
ここは岩場もあれば、深い場所もある。
釣りにはもってこいだろう。
本当は港の桟橋みたいなのがあれば楽なのだが、贅沢を言ってはいけない。
ここは無人島なのだ。
まずは貝の中身をエサにつけ、仕掛けを気分良く遠投。
このおもりと僕の腕では、30メートルも届かないけれど。
それでも30メートル先、深さ5メートル以上には、そこそこの大物もいた筈だ。
大物があれば、食卓が潤う。
そしてもう1つの竿は、彩香さん担当。
この仕掛けは二浦での釣りでお馴染みのスキンサビキだ。
これを岩場から深めの処に落として上下させ、小魚を狙おうというもの。
小魚でも数釣れれば戦力になる。
昼も先生方が、どうやって捕ったか不明だが、小魚を数匹捕まえて揚げていた。
あれはあれで、抑えとしてなかなか有効と見た。
とやっていると。
「え、何で!?」
いきなり彩香さんの竿が、ビクビク上下している。
「釣れている。浜へ上げるぞ」
何せ足場がイマイチだ。
そんな訳で、仕掛けが全部海上に出るまで上げて、上げたまま浜へ。
10センチ程度の銀色の、ちょっと頭が大きくて不格好な小魚が、3匹ついていた。
「これ食べられるのかな」
「食べられなくても、エサにしたり色々出来るだろうから捕っておこう」
バケツに入れて、また岩場に戻って。
またかかる。砂浜へ。
その繰り返し。
そして僕の仕掛けのウキが、すっと消えた。
慌てて竿に手をやり、巻く。
結構重いのがいい感じ。
糸を切られないよう、岩場から岩の無い方へ誘導しつつ、リールを巻いて引っ張る。
波を利用して、一気に砂浜へ引き上げ。
お、お、お!
これは立派な黒鯛だ!
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