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ただし。
この時が、釣りで言うところの時合いだったらしい。
獲物を一度家に持って帰って処理して、また戻ってきた後。
そんなにガンガン釣れる状態では無くなった。
僕の方は同じエサなのに、さっぱり。
彩香さんのサビキには、またさっきと違う魚が時々、ぽつんぽつんという感じ。
他は、秋津男子組は相変わらず魚突き漁を続行中。
秋津女子組は行方不明。
見える範囲にはいない。
先生2人は、ひとつ先の岩場でシュノーケルを使いながら、銛とナイフで何か採取中。
そして美洋さんと未亜さんは、ここで一緒に釣り中だ。
美洋さんの仕掛けは、彩香さんと同じくスキンサビキ。
飽きない程度の感覚で小魚がかかるのも同じだ。
未亜さんの仕掛けは、本人曰く『泳がせスペシャル』。
美洋さんが釣った小魚を、生きたまま針をかけて。
おもりと、しっかりしたウキを仕掛けで遠くに放り込む感じ。
なお投げる時に何か術を使っている模様。
仕掛けが、不自然なまでに遠くまで飛んだから。
50メートル以上は飛んでいるのではないだろうか。
ただ同じチームだし、文句は言わないでおく。
「大物狙いの一発用なのですよ」
そう未亜さんは言うけれど、今のところ僕の竿と同じく反応なし。
そう思ったのだけれども……
美洋さんと彩香さんの仕掛け、両方に魚がかかった。
2人が浜へ戻って魚を外して戻ってを繰り返す。
またいい時間になったかな。
そう思った時だ。
「来た、キタキタキタキタ!」
そう言って、未亜さんが動いた。
美洋さんの仕掛けの上を通して、そして浜まで走る。
「そこそこ大物サイズなのですよ!」
そう言いながら、巻いては引いて、巻いては引いてを繰り返し。
たまにリールのドラグがカタカタ言っている。
かなり引っ張られつつも、頑張っている模様。
そしてカツオ系統な丸っこい魚を、波を利用して引っ張り上げた。
そのまま蹴飛ばすように移動して、波が来ない場所まで持っていく。
「残念、ソウダカツオだったのですよ」
「いや、充分だろう」
今日の魚の中で、文句無く一番大きい。