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私にはできないわ。だってもう死んじゃったもの。
わたしたちにはできない。なぜならばすでに死んでいて肉体はないから。
みんなそうなんだろ。わかってるよ。だからぼくたちみたいになるんだろ。
おまえらみんな地獄行きだよ。
おまえらは、おれたちが殺したようなものじゃないか。
「こんなもの捨ててしまいましょう」と彼女は言った。「あたたかいお湯の中できれいにしてあげないと」
その言葉を聞いた瞬間、心臓が止まりそうになった。全身の血が凍りついたようでもあった。指先まで氷のように冷たい。僕は彼女の顔を見ることができずにいた。
彼女が僕の肩に手をかけた。僕はビクっと身体を震わせた。そして反射的に彼女を振り払ってしまったのだ。
彼女は驚いて目を丸くしていた。しかし僕の方がもっと驚いたに違いない