コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
信也さんがいきなり私の手を掴んだ、私はびっくりして彼を見た
彼の反対の手には小さな小型のスピーカ件、録音機があった
シッ・・・と彼が私にウィンクする、そのまま会話を続けろという合図だ、信也さんは私のスマートフォンの後ろにその小さな録音機をペタリと張り付けた、その横には健司さんが何やらラップトップのパソコンを開いて何かしている
レオさんがそのパソコンを覗き込みながら、私に手をヒラヒラした、何か会話を続けろと言っている
みんな固唾をのんで事態を見つめいている、誰も一言もしゃべらない
「・・・もう私と関わらないでと言ったはずよ・・・ 」
「おやおや、ずいぶんと威勢がいいじゃないか、そういうわけにもいかないんだよ、リンリン 」
くっくっくと彼の笑い声がスピーカから部屋にこだまする、ずいぶんと機嫌が良さそうだ
「実は君の彼氏と一緒なんだよ、昨日からずっと一緒にいるんだが、目を覚ましてくれなくてね」
私の全身の細胞に電流のような衝撃が走る
「彼を知っているのね!柚彦君に何をしたの?彼は無事なのっっ?!」
私は思わず叫んだ、何てこと!彼は俊哉にさらわれたの?
彼の居場所が分かった安堵と俊哉に拉致られているという恐怖が、私の中でせめぎ合う
「彼はどこにいるの?」
あの柚彦君が大人しく俊哉の言いなりになるはずがない、スマートフォンを握りしめる手に力が入り震え出す
「いいか!よく聞け、この男を返してほしければ300万用意しろ!金の受け渡しはお前一人で来い、妙な真似をしたらこの男の命は無いぞ」