ある家のリビング
テーブルを囲んで9人の男たちが座っていた
キツそうだが、彼らの顔には笑顔の花が咲いていた
静寂の中、大きな音が鳴り響く
彼らが持っていたクラッカーの音だ
『HappyHalloween!!』
みんな、自分のコップを持つ
『乾杯ー!!』
みんな1箇所に固まり話始める
机という机に置かれた9人分の料理を食べながら
笑顔で仕事のことや家族のことを話している
彼らの癖だ
広い楽屋でも1箇所に固まって話してしまう
それが、仲のいい証拠とでも言うのだろうか
「あ、あのさ、ちょっと言いたいこと…って言うか報告したいことがあるんだけど」
「お?蓮から?」
「どうせドラマとかそんな話やろ」
「こら、康二そんなこと言わない」
まるで、幼い子供を宥めるような口調で話す
「やってふっかさんも羨ましいやろ?」
「いや、まぁそうだけどさ……」
「まぁまぁ、ふっかさんもいいから」
話し始めた本人が止める
「実はね、彼女ができたの」
『……えぇ!?!?』
彼以外の8人が驚いた……のではなく、
驚いたのは7人だった
「阿部ちゃん?なんで驚かないの?」
「え?だって知ってるもん」
「え!?なんで!?」
「ラウール、しー。夜だよ?」
「いやいやいや、え??」
大きな混乱の渦に巻き込まれる7人
「いい?みんな、落ち着いて聞いて?」
「俺の、彼女は、阿部ちゃんだよ?」
『……はぁぁ?!?!』
「え、なに、え、そういうこと?」
「は?え、は?」
「目黒?嘘ついてない?」
「嘘じゃないっすよ笑」
「だてさん、めめはそんな嘘つかないよ?」
混乱の渦はどんどん大きくなっていく
「…いや、落ち着こう」
リーダーの一言でみんなが落ち着きを取り戻す
「ねぇ、みんなにはどう伝えるの?」
「多分、混乱すると思うけど、今と同じように伝えようと思う」
その目には、強い想いが宿っていた
その後、今のことはなかったかのようにみんなで騒ぎ尽くした
場所は変わり、違う部屋に
部屋のソファには2人がくっついて座っていた
2人は見つめ合い、不意にキスをする
「ねぇ、阿部ちゃん?」
「なぁに?」
男_目黒は耳を近づけ、甘い声で囁く
「Trick or Treat」
「阿部ちゃんをちょうだい?」
阿部は、その瞳に囚われる
「……しょうがない」
「特別ね?」
妖艶な笑みで答えれば、2人は寝室に消えていく