「おはよー優」
「あ、おはよう、瑠衣(るい)」
この子は、親友の瑠衣。いつも私の相談に乗ってくれている。
「そーいえばさ、見た?これ。」
「ん?」
瑠衣のスマホを見たら、”熱愛報道!街中で一般人女性とキス。大人気女優のミミカは同性愛者か?!”と書かれている。
「めっちゃ叩かれてるんだよね。ミミカ。」
「ふーん」
なんでそんなことで叩くんだろう。ただキスしてただけじゃん。
「馬鹿だよねー、本当にアンチする人。」
「そうだよね。何が楽しいんだろ」
そう話していると、ガラガラと教室のドアが空く。
「おはよう!みんな!」
この教室は、男子・女子にくっきり分かれていて、男子からは熱い視線、女子からは冷たい視線を向けられている。
そんな視線を向けられているのは、学校一の美女と言われている、鈴瀬琴葉(すずせことは)さん。
「ねぇ、また鈴瀬さん新しい彼氏さん作ったらしいよ。」
「今度は大学生だって。」
「男好きだから誰とでも付き合うらしいよ?」
「このクラスの人とほとんど、てか、学校の人たち全員と付き合ってたって噂あるらしい」
「すぐ別れてたっぽいけどね」
近くの女子からそんなような事が聞こえてきた。
「本当に女ってのは、噂ばかり、まぁでも、あの見た目なら信じざる得ないけどねぇ。」
スマホをいじりながら興味無さそうに話した瑠衣。
本当に、そうなのかな、たしかに、見た目は凄く大人びて、恋愛経験豊富そうだけど、挨拶してるのは、女の子の方を向いてた気がする。
鈴瀬さんの方を見たら、バチッと視線が合った。
直ぐにそらされ、鈴瀬さんはスマホをいじり始めた。
なんだろう、顔になんか付いてた?
そう考えていると、朝のチャイムがなる。
まぁ、いいや、細かいことは気にしない方がいい。
私は先生の方を向き、朝HRが始まった。