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そして、とうとうテストの時間が迫ってきた。
今から少しだけ勉強する時間があるから、一人で勉強するつもりだ。
僕は、机に大量の教科書を並べて 復習をやりだした。
そんな時、とある人が僕に話しかけてきた。
「あ、瀬戸くん!一緒に勉強しない…?」
「….空下さん…?別に良いけど…」
「わー、マジで?ありがとぉ!!」
僕に話してきた人は、空下檸檬ソラシタ レモン って言う人だ。
空下さんは、普段から明るくて、誰でも接しやすい性格だ。
でも、普段地味な僕は、あんまり話さないタイプの人。
だから、話す時は少し緊張してしまうんだ。どうしても…
「あのさ、私、侑里くん って呼んでも良い?」
「あー、全然良いよ?」
「ありがと!じゃあ、私の事『檸檬ちゃん』って呼んでくれない?」
「分かった、檸檬ちゃん!! …こんな感じ?」
「そうそう!それだよ〜 じゃあ、これからよろしくね?」
「よろしく….!」
―僕は、最近菜摘のおかげで、女子を下の名前で呼ぶことに慣れていた。
だけど、『檸檬ちゃん』って、ちょっと呼びにくいな…
いや、それよりも檸檬って名前がそもそも独特だ。
これまで『檸檬』 っていう名前の人、一度も見たことがなかった。
今でこそ慣れてるけど、やっぱり独特な名前だよなぁ….
そんな事を考えていると、檸檬ちゃんが教科書を沢山持ってこちらにやって来た
その教科書は、何冊も山積みになっていた。どうやら、僕と同じ状況に陥っているらしい。
「教科書多いね、、」
「侑里くんもじゃ〜ん!!」
檸檬ちゃんは、そう言って笑った。
檸檬ちゃんの笑顔は可愛いな…. また菜摘とは違った可愛さがある。
「そんじゃ、早くテスト勉強しよ??」
「そうだねーー!!あ、そーだ!侑里くんに聞きたいことがあってさーー。」
「何?」
「….」
急に黙り込んだ檸檬ちゃん。
どうしたんだろうか。まだ話してる、いや話しかけてきた最中なのに…
そのまま何十秒かが経つ。
そして、とうとう檸檬ちゃんが口を開いた。
「侑里くんってさ…」
“好きな人とか、いる…??”
ドキッ….
僕は、思わずドキドキしてしまう。
まだ、僕の感情を知ったばっかりだったから… 「好きな人」というワードに敏感になってしまったようだ。
だけど、ここで焦ったら「いる」とバレてしまう。だから冷静に答えた。
「今んとこはいないかなー。」
そう言うと、檸檬ちゃんは少し悲しげな表情を見せた。
だけど、すぐにキラキラの笑みを作ってこちらを見た。
「そっかー。私は好きな人いるよ〜〜」
「え!?そうなんだ…」
「そんな驚かなくてもい〜じゃーん!」
「いや、気になるな〜って思って…」
「ま、秘密だけどね〜〜!」
「そりゃーそうだよね〜〜。」
檸檬ちゃん、好きな人居るんだ….
てっきり居ないと思ってた。いや、そもそも恋愛感情があるという事が驚きだ。
それにしても、さっき何か… 無理やり笑ってたのかな…?そんな感じがした、気がする。
――というより、早く勉強しないとヤバイよな。
僕はそう思って、檸檬ちゃんに提案する事にした。
「ねー、早く勉強しよ?」
「あ!!忘れてたーー、、 最悪だぁ… でも頑張ろぉ!!」
「うん!」
――そして僕達は、ひたすら勉強していた。
檸檬ちゃんから「一緒に勉強しよ!」って提案してきたけど、結局一人で勉強していた。
持ってきていた全教科書の復習をしていたから、全然勉強してなかったんだろう。
それで、僕と一緒にやろうとしたんだろうか。だとしたら面白すぎる。
僕はそんな想像をして、勝手に一人で笑ってしまった。
そんな僕に 檸檬ちゃんがツッコむ。
「何一人で笑ってんの〜?何かあった??」
「え、あーごめんごめん!何も無いよーー!」
「そう?じゃあ分かった。」
『檸檬ちゃんが、僕に勉強を提案してきたことに面白くなっちゃって。』
と心の中では思ってるけど、そんな事言えるわけ無かった。
言ったらどうなるか…. 想像もつかなかった。
そんな時、自由時間の終わりを告げるチャイムが鳴った。
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン――
「あ、次テストだよ!侑里くんもさ、早めに準備しとこー!」
「そうだね。じゃ、また後で話そ!」
「うん!じゃあ!」
そう言って、僕達は最終勉強を終えた。
そしてついに、テストの時間がやってきた。教室には緊張感が走る。
すると、担任の先生が話し始めた。
「今からテスト始めるぞ。復習は出来たか?」
この質問に、クラスの全員が元気よく答える。
「はいっっ!!」
先生はその返事を聞き、更にと話を続けた。
「このテストは順位が出るからな。好成績目指して頑張れよー。」
「はいっ!!!」
そうだ、このテストは順位が出るんだった。それなら、結果が目に見えて分かるから良いな。
その順位が高かったら、菜摘に自慢できるし…!
この学年は全クラスで160人だから、普段の自分なら 好成績を取るのは難しいだろう。
だけど、これだけ勉強してたら…ちょっとは良くなるはず…!
そう信じてテストにのぞんだ。
「じゃあ、行くぞ?よーい、始め!!」
カキカキ….
サッサッサ….
みんなの、鉛筆で記入していく音が聞こえる。
いつものテストより、みんな気合が入っているようだ。
「(僕も頑張らないと…!)」
テストの内容だが、いつも一問目から解けない僕。
だけど、今日は違った。
問題の意味が一瞬で理解でき、数十秒で答えを記入できた。
こんなにも スムーズに問題を解けたのは初めてだ。
勉強を多くするだけで、こんなに変わるもんなんだ…!
僕は、この瞬間で**「勉強の大切さ」**を分かったような気がした。
――そして僕は、問題を順調に解いていき、テストの終わりの時間がやって来た。
先生がみんなに「終わり」と指示を出していた。
その瞬間、生徒たちは一気にザワザワし始めた。
「なぁなぁ、あそこの問題出来たか?あの漢文のやつ。」
「出来るわけねぇだろ。あんなもん範囲に出てねぇよな?マジで無理だった。」
「それな?」
どうやら、みんなあまり出来なかった様子だ。
僕も、いつもなら今のみんなと同じ状況で、心の中で凄く共感していた。
でも、今はそんな事無かった。
みんなが「出来なかった」と言っている所は、スラスラと一切迷わずに出来た問題だった。
僕って、やれば出来る人だったんだ…!
『勉強なんて出来るわけ無いっ!!』って、諦めてどうしようも無かった勉強。
そんな勉強の世界は、僕には理解できなかった。
――だけど、勉強は誰でもやり直せるんだ!!
僕は、ここに来てやっと、“勉強の世界”を知ることが出来た。
「…」
これでやっと、菜摘に自慢出来るだろうか。
菜摘の反応を見るのが 楽しみで楽しみで仕方無い…!!