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私達は文明を維持し続ける為に生き続けなければならないのです。何故ならば、その先に希望があるかもしれないから……。
―――とある科学者の日記より抜粋
(中略)
今年に入ってから奇妙な現象が多発しており、中には実際に発生したものも確認されている。しかしまだ確証が得られていないものや、信憑性の低いものも多い。
例えば1月30日に報道された【謎の新種植物発見!】についてだ。
神奈川県内の公園にて枯れかけた雑草に混じって一本だけ花を咲かせていたこの植物は、発見者によって即座に通報された。しかし通報を受けた警官たちが到着したときには花は枯れており、その後まもなくして公園内で眠りこけるホームレスが発見されることになる。
【病名:泡沫花】
発見された植物は警察によって回収されたが、その正体については不明のままであった。
後日、警察は公園で眠り込んでいたホームレスの男性を逮捕し事情を聞いたところ、男性は公園の花壇に水やりをしていた際急に睡魔に襲われ眠ってしまい、目が覚めたら自分が知らない場所にいたことを語った。
その後男性はすぐに釈放されたものの、男性が寝ていたという場所は荒れ果てた土が広がるだけで何もなかったらしい。
そしてその日から数日後、今度は近所の住人から「深夜大きな音を立てて何かを叩くような音が聞こえてくる」との苦情が寄せられた。
すぐに警察官が見回りを行ったが、不審者の姿はなく特に異常もなかったとのことだ。
その後も謎の音についての調査が行われた結果、「ある時期になると夜に謎の音を鳴らして歩く人間が現れる」「音の鳴っている方角には小さなビルがあり、そこから時々人の叫び声のようなものが聞こえる」といった噂話が広まるようになった。
そして事件発生から約1ヶ月後、ついにそのビルの解体工事が始まった。
ビル内部にあった機械類は全て運び出され、建物の骨組みだけが残った状態で工事は進められていたが、作業中作業員の一人が突然倒れ病院へと運ばれた。倒れた作業員はそのまま入院することになったが、しばらくして容態が悪化しそのまま息を引き取った。
残された遺族たちは悲しみに打ちひしがれたが、その直後作業員たちの死因が明らかになった。彼らは全員頭部に大きな傷跡があったのだ。それはまるで何者かに襲われたかのように……。