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君たちは、「一卵性双生児」を知っているだろうか。
顔も、姿も、血液型でさえもほぼ同じと言う子供の事だ。
パッと見では違いなどわからない。そう、分からないのだ・・・
焦っている人間などには・・・。
2024年12月20日・・・
とある小説家「戸部夏実」は、「クリスマス前夜祭」というパーティーに招待された。
招待状が届いたのは、12月12日。朝早くに煙草を吹かしていると、インターホンが鳴った。
扉を開くと、白い封筒を持った男がいた。
その男の名は「上野康介」。現役で探偵の仕事をしている親友だ。
戸部「こんな朝早くにどうしたんだ?」
上野「ああ、ちょっとこれを見てくれないか?」
上野が封筒を開ける。
その中には、金色の封筒が入っていた。
戸部「これは・・・招待状?」
上野「お、よく分かったね。そう、これは僕ら宛の招待状だ。」
シールを剥がす。
上野「内容が少し面白くてね。見ておくれ。」
戸部「どれどれ・・・」
招待状の内容を拝見する。
〜上野康介殿へ〜
今回、我々は貴方を「クリスマス前夜祭」に招待いたしました。
日時は12月20日、時刻は午後4時30分に、場所は北海道の「ホテルSAIKOU」一回ロビー。
メンバー・上野康介、戸部夏実、村岡達也、八田与一、栗河原遥香、栗河原総一、板野朋花、
板野晴翔、板野宗介、林田守の10人です。
20日から25日まで、日時を空けといて頂くと幸いです。
その日を楽しみにしております。
書き手、古道光太郎
戸部「・・・なるほど。シンプルだな。」
上野「だろ?季節に挨拶もなしにさ。」
戸部「あ、俺これ捨てたわ。」
上野「いや何してんだよ!!」
戸部「ごめんごめんさっきね、ついつい捨てちゃうのよ!」
上野「まあ、僕が来たから良いけど・・・」
戸部「てか、孝は呼ばれてないんだな。」
上野「そう、それ!ここが謎なんだよ・・・。」
戸部「まあ、行ったら分かるんじゃないか?」
上野「ええ、本当に行くきかい?」
戸部「お前は行かないのか?祭りだぞ祭り!」
上野「あんな事件が立て続け続いたのに・・・」
戸部「まあ・・・確かにな。」
戸部が新しい煙草の箱を開ける。
部屋にはいつの間にかニコチンの癖のある匂いが充満していた。
灰皿には数本の煙草の吸い殻がある。
戸部「でも、今回は大丈夫だろう。」
上野「そう言い切れる根拠は?」
戸部「小説家の勘だよ!」
上野「はぁ・・・まあ、楽しもうかな。僕も。」
外はすでに太陽が昇りつつある。
光が窓に差し込み、部屋の中を照らす。
2人の背中が、暖かく光る。
その背中が冷や汗で包まれる事を知らずに。