「ん…」
目が覚めると知らない所にいた。周りにはお父さんとお母さんがすごく心配そうな顔で見ている。
「瞳!大丈夫か!?」
「うん。大丈夫」
「よかった!」
そうか、ここは病院か。颯太さんが女の人と一緒にいるのを見て私はトラックにひかれて…。少しづつ思い出してきた。
「いてて…」
「無理しないで」
体を起こそうとすると全体に激痛が走った。でも私は体より心が痛かった。あの人が彼女なのかなとずっと考えてしまう。
「瞳!大丈夫!?」
紗枝が病院に来てくれた。涙を流してすごく心配そうにしている。目が覚めて安心したお父さんとお母さんは友達といる方がいいと思ってまた明日来ると言い、帰っていった。
「ひかれるなんて何かあったの?」
私はひかれた理由を話した。紗枝は納得したように頷く。涙が出てきた私を背中をさすって慰めてくれる。やっぱり持つべきものは友達だなとしみじみ思う。
「でもそれはちゃんと会って話した方がいいよ」
確かに仲は良さそうに見えたけど本当に恋人なのかは分からない。あとで連絡してみようかな。紗枝は少し話せて安心したようでお見舞いにお花を渡して帰っていった。
私は颯太さんに会って話したいということを伝えたかったが病院にいるし何て送っていいか分からなかった。その時、携帯から通知音がなった。見てみると颯太さんからだった。
「大丈夫ですか!?瞳さんがひかれたのを見まして…。明日お見舞いに行ってもいいですか?」
私は驚いた。そうか、あの時颯太さんは見てたんだ。大丈夫なことと来てもいいという返事を送り、心配してくれたということに嬉しくなった。明日来てくれた時に何て話そうかずっと考えていた。
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