テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する



放課後、教室にはほとんど人がいなくなった。目黒は机の前に座り、今日の授業のノートを整理していた。

でも、心の奥は落ち着かない。

背中の視線を感じながらも、振り返る勇気はなかった。


「……やっぱり、こいつか」


声が背後から響く。

振り返る前に、机に置いていたノートをひったくられた。

「お前、ほんまに気持ち悪いな」


無言で笑う連中。

蹴られる足元、投げつけられるペン。

そのたびに胸がぎゅっと締め付けられる。

でも、目黒は声を出せなかった。


——康二は、今ここにいない。

——誰も、自分を助けてくれない。


「叫べよ、泣けよ」

誰かの声が教室に響く。

手がノートを握りつぶす。

目黒は目を伏せたまま、ただ耐えるしかなかった。


そのとき、机に置かれた自分のシャーペンが足元に落ちる。

拾おうと手を伸ばした瞬間、椅子ごと倒されそうになった。

「ほら、これくらいで泣くんか?」

笑い声が耳に刺さる。


胸の奥が、痛みでいっぱいになる。

涙も出ない。ただ、心の中で叫んだ。

——誰か、助けて。

——でも、誰も来ない。


教室のドアの外、廊下の音だけが遠くに響く。

一人きりで、孤独にいじめを受ける。

それが、目黒の毎日の現実だった。


——康二がいれば、こんな思いはしないのに。

その思いが胸の奥にしっかりと根を張る。

守られることへの渇望が、依存へと変わっていく予感を、目黒はまだ知らなかった。


チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚