「ブラック!なんだって今そんな子を連れてきたんだよ」
レオがあきれるように首を振った、ブラックは肩眉をキュッと上げて言った
「話は聞いていたわ、一刻も早くユズを救出したい気持ちはみんな一緒よ、それに・・・ここにいる彼女も・・・ 」
レオは歯を食いしばった
「なんだよ!いったいどういう事なんだよ、言えよ!ブラック 」
「落ち着けよ!レオ!お前煩いぞ」
健司さんがレオさんをたしなめる
「この麗奈が、ユズがいなくなった事について、何か話があるそうよ 」
信二さんがブラックの連れている反対運動をしていた女の子に歩み寄った、女の子は居心地悪そうに下を向いている
「反対運動をしてた奴らなんか、信用できるかよ!」
反射的にレオがフンッと鼻を鳴らして言った、健司さんが麗奈さんを見た
「たのむ!ユズは俺たちにとっては大切な家族なんだ!もしこの事件について何か知っていたら、全部話してくれないか」
「あ・・・あの・・・私・・・ 」
麗奈さんと言う人は落ち着きなさげに下をむいている、私もレオさん同様、柚彦君の事を何か知っているようなら、ぜひ話してほしかった
「麗奈・・・大丈夫?」
「ええ・・・・ 」
ブラックが優しく麗奈さんの背中を押した、麗奈さんが私達一人ひとりを見つめた
「みなさんが・・・私を良く思っていないのは・・・分かります、そう思われても仕方がない事を・・私はしていました、ずいぶん無礼だったと思いますし、私自身も・・・反省しています 」
「そりゃそうだろうよ!」
レオが鼻をフンッと鳴らした
「大人しくしないと殴るわよ!レオ!」
ブラックとレオがにらみ合った
「あの・・・昨日の早朝・・・私はブラックに用があってこのジムに来たんです、その時・・・その・・・見ちゃったんですユズがさらわれる所・・・ 」
「なんですって!」
沙也加さんと健司さんが立ち上がった、信じられなかった
「あ・・・あの!詳しく話してください!お願いします 」
私は麗奈さんにすがった、血液がドクドクと音をたてて全身をめぐった、麗奈さんの手を握りしめ真剣に懇願する、どうすれば彼を助けられるか教えてほしかった
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