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るるくらげ
@ 愛 . #低浮 .
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一瞬、投げ捨てられた懐中電灯のみが照らしていた社長室に、それ以上の明かりが灯った。
バチバチと火花が飛び散っている。その全ては、セメントに直撃していた。
セメント「……は、?」
セメント「…お前…これ、なんだよ…」
もはや丁寧に話す余裕もなかった、エネルギーの爆発で起こった火花が、セメントを焦がそうとしていたのだ。
ガトリングと、放たれた弾丸を全て爆発させ、その一部は社長の足にも直撃していた。
社長「…いった、何だよ、この力。」
社長「…クソ、頭がおかしいのか!?」
セメント「社長、さ…」
社長「セメント」
社長「ケヤキを殺せ、これは命令だ。」
セメント「は、い……!!!」
セメントは咄嗟に剣を生成する
壊れたガトリングを捨て、剣に持ち替える。
そして、その剣を持ち、最後の力を振り絞り
ケヤキに突撃する。
ケヤキ「ぁあっ…!!」
リボルバー「ケヤキさん!!!!!!」
その声がケヤキの耳に届く前に、ケヤキが殺される
リボルバーがそう思った、その時だった。
大きな金属音が、響き渡った。
リボルバー「…!?」
「…私はぁああ……!っ…約束を破るような人間になるつもりは無いからぁあ…!」
ケヤキ「…かな、さん…!!」
かな「…ケヤキさん、もう大丈夫です…。」
セメントが、思い切り吹き飛ばされる。
その後ろから、また1人、見慣れた顔がやってくる。
sepia「…遅くなって、すまない。」
ケヤキ「sepia、まで…」
リボルバー「お二人共!!無事でしょうか!?」
かな「はい、りさが、守ってくれたので。」
かなは、β地区にいた時ほどネットに長く居なかった、そのため回復が早かった。
リボルバー「りささんは…」
sepia「大丈夫だ、今は少し休んでる。」
sepiaもまた、少し休んで動けるほどにはなった。
sepia「…ケヤキとリボルバーは大丈夫か?」
リボルバーは結構な傷を負っていた、全て受け流すのは不可能だったのだ。
リボルバー「私は大丈夫です…ケヤキさんも、無事です…!」
ケヤキ「sepia、お願い。」
ケヤキはsepiaの近くに寄ると、刀を渡す。
ケヤキ「…殺すのはsepiaなんだから。」
sepia「…ケヤキ…。」
sepia「任せろ、これが終わったら、誰も殺さなくていい世界に、変えていこう。」
ケヤキ「…信じてるから。」
sepiaは刀を受け取ると、走った。
セメント「社長!!護衛しまっ__」
かな「させない!!!!」
セメント「ぁあああっ!!?」
かなはリボルバーを気にかけながらもセメントとsepiaの間に立ち、剣を受け止める
腕を切られても、かなは折れることはない。
この任務の遂行は、誰かの、そして自分の転換点になるのだから。
分かり合い、慰め合い、押し付け合い、いがみ合う
だがその先に、未来を構成する。
かな「こんなところで終わるなんて嫌!!!!!」
かなは短剣で、セメントが剣を持つ右手を刺した。
セメント「…っうぁあ!!」
セメントは痛みに耐えられず倒れ込む
視界が揺らぐ、四方八方が痛い、もう動けない。そう直感する
痛い
痛い
痛い
助けてくれと願う思いは、届かない。
あの頃のエージェントは、最低最悪だった。
本来、セメントは、内戦前に依頼主のクレームにより、タヒぬはずだった。
依頼主からのクレーム、それはエージェントの終わり。
人権を無視してでも、買収前のエージェントという職はやはり地位ばかりを重んじた。
幼少期から、失敗ばかりした。
そんな自分が嫌で、失敗の許されないエージェントという職で、自分を変えようと思った。
許されないといっても、多少キツく怒られるだけだと、そう思っていた。
だが、違った。
上層部「また失敗か?お前は。」
ごめんなさい。
上層部「もう失敗したくないと、ここに入ったよな?けれど何度も失敗、失敗。」
ごめんなさい。
上層部「チッ、君には呆れた。」
やめて。
そんなセメントを逃したのは、他でもないmiaの社長だった。
処刑されたが、それが失敗。そして偶然生き残ったセメントを、miaの社長が見つけたのだ。
何でもします、人も殺します、AIこそ最高です。だから
タヒにたくない。
そう懇願した、
miaの社長は、そんなセメントを哀れに思ったのか、ある質問をした。
「何をしても疑問を持たないか?私と争おうとしないか?」
はいと即答した。とにかく生きたかった。
「…ならいいだろう。」
社長は、恩人だ。
そんな人が、目の前で殺されるのを、見たくなかった。
ごめん
ごめんなさい
お願い
殺さないで
失敗が怖い
だが、そんな願いも、思いも、痛みが上書きして、口には出せない、届くことはない。
1番失望されなかったのは、この職場だった。
震える腕を必死に伸ばそうとする頃には、社長の腹には刀が思いっきり刺さっていた。
紅が散り、セメントの希望を、黒く塗りつぶす
社長がもがき苦しむ声が聞こえた。
耳を塞ぎたい、目を潰したい、そんな現実だけが、セメントを苦しめていた。
セメント「…しゃ、ちょ…」
伸ばす手を、誰かが優しく掴む
リボルバーだ。
リボルバー「…ごめんなさい。」
人の体温と、慈悲とはいえ心からの優しさを感じる
リボルバー「…貴方の様子を見て、伝わってきたんです、社長をどれだけ大切に思っていたのか。」
リボルバー「…どうしますか?」
セメント「…けんは、捨てる、だから、近くに、行かせて、くださ…」
リボルバー「了解です。」
リボルバーはゆっくりとセメントを立ち上がらせ、ゆっくりと社長の近くへと歩かせる
セメントは、社長の元で座り込む
セメント「…社長には、色々助けて貰ったんです。」
セメントは、最期の独白をする。
セメント「…失敗しても、殺そうとなんてしなかった、私に心を…っ開いて…過去の話も、してくれた。 」
セメント「社長は…っ人間同士の争いを…心の底から嫌う人、です。」
セメントは社長のことを語るが、社長に触れるでもなく、ただ傍に座り込んでいた。
かな「…!」
かな「……どう、して?」
セメント「…社長が、それに殺されそうになった、から。」
_最北
「…おとうさん、おかあさん」
母「愛華…貴方は逃げなさい。」
父「あぁ、最北のやつに、もう正常なやつは…居ない。」
母「大丈夫よ…きっと、大丈夫。」
父「愛華…っごほ、ごめん…」
愛華「…なんで、人と人はあらそうの?」
愛華「けんかは良くないってみんな知ってるはず、なのに。」
愛華は、理解できなかった
寒い冬に殺されそうになってまで走って、止まってはその疑問に答えを見い出そうとした。だが、そんなものに意味はなかった。
内戦が、始まるくらいだから。