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「……………ん?」
「ねえさん!よかった目が覚めて…」
「ここ…ワタシの部屋…?」
「うん。ねえさんどこまで覚えてる?」
ラムレザルが次に目を覚ますと本部にある自室のベッドで横になっていた。
「ジャバーに声掛けて、そのまま…」
「よかった…心配したんだから。体調を滅多に崩さないねえさんが熱出したって…」
「そっか…(ジャバーの毒の抗体作ろうとしたのか…)」
「それとボスが呼んでて…動ける?」
「多少吐き気は残ってるけどまあ大丈夫」
ラムレザルはベッドから起き上がるとエイシアに礼を言って執務室に向かった。
「ワタシだ」
執務室の前に着くとノックをして中に入った。
「やぁラム。もう大丈夫なのかい?」
「お陰様で。お前一体今の今までどこに行ってたんだよ」
「それは追追話すとして、今回起きた件について話そう。」
部屋にやって来たルドとエンジンも混じえて今回起きた事件についての話を始めた。
「先ずは自己紹介をしよう。私はコバルス・アルハ・コルバス。こんなでも一応掃除屋の頭だよ。そして彼女は…」
「ラムレザル・E・クロティルド。好きに呼べ。で、この馬鹿が不在の時にここを任されている。」
「馬鹿とは酷いな」
「じゃあ阿呆。毎回毎回何も言わずに行方不明になってその間の書類は全部誰か処理してんだと思ってんだよコルバス」
「それは申し訳ないと思ってるよ」
「どーだか(呆れ)」
「どういう仲…?」
「ボスとラムは…」
「さっさと本題に入ろう。今日は飲みに行く予定がある。手短にな」
「お前な……荒らし屋が本格的に掃除屋に喧嘩を売りやがった。てことは今後斑獣だけではなく荒らし屋ともやり合うことになる。それに新たな情報もあるんだよな?」
エンジンがコルバスに話を振った。
「荒らし屋が口にした “境界” やつらは天界についてもなんか調べてるっぽいんだよね」
「!」
「確か君は〜天界に戻る方法を知るためにここにやってきたんだね?」
「あっ、おっ…はい…」
「私は君が情報のためにただ居座ってる存在なのかと思っていた。そんなヤツはここにはいらない。でも…」
「でも?」
「君はラムからの推薦を貰った」
「は?」
「ラムの息子、と言うのは彼女から予め聞いていた。人通者でなければラムのセーフティハウスで住まわせる予定だったんだが、人通者で天界人である以上危険は避けられない。ラムからの進言もある事だから君を正式に掃除屋へ迎え入れることを宣言しよう。」
「!」
「ところでルド、境界って分かるか?」
「いや…」
「境界ってのは上と下の間にあるもので天界へ渡ろうとした者は境界を跨ぐと死ぬらしい。そして面白い話があってな。境界に1番近い禁域に1人の女がいたそうだ。」
ラムレザルが話し始めた内容は女が境界を跨げる物を見た可能性がある、という内容だった。
「その女が見たヤツに辿り着けば上に戻る方法が分かるってことか!」
「ルドくんが下界に来ても死ななかった理由もね。そこへ行くのはもちろん危険を伴うだろう。行くか引くか…どうしたい?」
「行くに決まってんだろ」
ルドの回答にコルバスは微笑みラムレザルは呆れたようにため息をついた。