空「其れの何が悪い」
夜「‥いやぁ。私並みに感情が無いと思って」
シュッ
刀が掠れる
空「実際、あんな妹は役立たずだったしね。」
夜「意外だねぇ。君達は仲が良いと思っていたよ」
垂れてきた血を拭う
空「まぁ…あの日迄はね」
・
空『後何人?』
妹『後…四十人だよ』
妹は少し悲しそうにしていた
空『…どうしたの?後四十人じゃん。頑張ろ』
妹『違う…_
”もうこんな事やめようよ”
其れが妹の口から出るなんて思いもしなかった。
空『何で?母親を生き返らすんだよ?』
妹『もうッ…罪無き人を殺したくないよッ…』
その言葉を聞いて、つい手を出しそうになった
でも、やめた。
然るべき日まで、取っておこう。
こんな妹でも、異能力は使えるから。
妹の異能力は痛みを増幅させる異能力。
其れは自由に調節出来る
だから_この日まで
・
夜「…私に使わなくて良かったのかい?」
空「あんたは無効化だ。この異能力空間まではあんたの無効化は出来ても、あんた自身までは無効化出来ない。」
ヒュッ
上から飛んでくる
夜「私の異能力もだいぶ不便なんだねぇ」
カキンッ
其れを受け止める
その時_
カチャッ
金属音が擦れる音_
見た時には遅かった
もう相手がナイフを構えている
此の体制は避けられない
空「チェックメイト」
ヒュンッ
何本かは防いだが、流石に刺さる
夜「ぐ…っ!!」
ドサッ
空「…初めて膝を付いたな」
・
国「何!?じゃあ_
太「妹さんは捧げられた。姉に裏切られてね」
その事を聞いて、探偵社員は驚く
国「津賀家も良く判らんな…」
太「津島家が可笑しいのだから、分家も可笑しいんじゃない?」
まぁ…先輩も可笑しいに入るのか()
太「後の懸念点は人数だ」
敦「人数?」
敦くんが首を傾げる
太「妹さんで百人いったとすると、ユラの異能力が発動される。」
乱「そして異能力空間が出来る」
乱歩さんが挟んでくる
太「私は無効化出来ても、皆は出来ない。そうしたらその母親と戦う嵌めになるよ」
国「其れはまずいな…」
太「先輩に掛けるしかないな…」
・
空「…初めて膝を付いたな」
夜「ッ…」
目の前に来る
グリッ
肩に刺されたナイフを曲げられる
夜「ぐあ…っ…!」
空「…やっぱり、早く殺した方が良いのかな。」
チャキ
銃を構えられる
夜「横浜も…物騒、な‥ものだねぇ」
空「嗚呼。そうだな」
安全装置が外される
空「…この日を何年待ち望んだか。」
彼女は銃に力をぐっと込める
空「ようやくあんたを殺せる」
彼女の瞳に白なんてものはない。
永遠な黒
夜「…最後に一つ聞きたい」
空「…まぁ、いっか。お母さん」
”私で百人目?”
ピクッ
その言葉に反応する
夜「その様子だと…違うみたいだね」
空「…あんたで九十九人目。」
淡々と話す
空「あんたを殺した後に自分も死ねば百。此れで良い」
夜「…本当に?」
”自分が死んだら、母親に会えないよ?”
「それに、君達の口ぶりから。最初の目的は母親を生き返らすだけだった」
空「…うるさい」
その言葉を気にせず、話を進める
夜「まぁ…私を殺すのも目的なんだろう。でも君が死んだら_
パァンッ
空「うるさいッ!!」
頬を掠れる
空「うるさいうるさいうるさい!!!私は此れで良いんだ!!お母さんに_
ポロッ
彼女の頬に一筋の水が流れる
空「あれ…なんで」
ポロポロッ
どんどん涙は溢れていく
空「何で今更ッ…あの時泣ききったと…」
夜「…やっぱり。母親に会いたいのが本音じゃないか」
やっぱり…根はまだ学生か
体だけ、成長しすぎたんだ。
空「でもねッ…まだ任務は残ってる。」
チャキ
空「あんたを殺す事」
パァンッ!!
・
カキンッ…
空「は…?何で」
私は彼女の銃口を抑える
其処からは血が滴る
夜「チェックメイト。私の勝ちだね」
ストッ
手刀を入れる
空「‥ははっ…やっぱり、叶わないか」
ドサッ
彼女は意識を失う
夜「まぁ‥でも、強かった。」
話で母親の事を引き出す
その時間があれば痛みはある程度引いてくるだろう
夜「…尤も、その妹さんの異能力があれば私は負けていたね」
シュンッ…
彼女の異能力空間は消える
太「!!、先輩!」
夜「太宰、」
その時_
ドサッ
膝を付く
夜「はぁ‥はぁ‥」
休み無しの怪我有りは流石にこうなるか…
太「ナイフ…!?取り敢えず、医務室に」
夜「判って、る」
フラフラとした足取りで向かう
国「…良くやった。夜月」
・
一週間後_
夜「うーん…」
体を伸ばす
ズキッ
肩が痛い
”遺体の無い血痕事件”が終わってから一週間が経った。
あれから夜空は軍警に引き取られ、事件は終幕へと行った。
妹さんは帰らない人となった
少なくとも、妹は人の心がまだあったのだと思う
津賀家で生まれたのが人生の終わりだった
そりゃあ、姉もあんな思想に至るのだと思う。
コトコト…
夜「…結局、バタバタしてたなぁ…」
そう云いながら写真立てを見る
もう戻ってこない人。
死んだ人は生き返らない。
そんなの判っているのに_人は求める
人間とは滑稽なものだ
そんなものだ。
ガチャ…
夜「…行ってきます」
バタン
・
ガチャ
夜「おはよー」
その時_
国「お前ぇぇぇぇぇ!!今日も二時間の遅刻だ!!!!」
怒声が鳴り響く
夜「あのねぇ…病人に対して其れは無いんじゃないのかい?」
そして横を見ると_
ユ「…こんな怖い人だったの」
ユラがいる
夜「ほらね」
国「む…すまん」
ユラの方が重症だったのか、まだ探偵社の医務室にいる
与謝野先生に任せておけば安心だ……多分。
結局、ユラは特務課が引き取るらしい。
まぁ、合っていると思う
ユ「事件は終わったね…」
夜「そうだねぇ…あっという間な気がした」
そして_
ガチャッ!
太「グッドモーニング!!!くにきぃーだくん!!」
国「またかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
太宰も来る
遅れるのは安定だけどね
太「先輩!おはようございます」
夜「おはよー」
太宰の処置のおかげで傷はかなり早く治っている気がする
夜「太宰」
太「はい?」
此方を振り向く
夜「ありがとう」
少し笑みが溢れる
すると太宰も笑って_
太「いえ!」
こうして、事件は幕を閉じた_。
第二章_終了。
終わりですねー!!短かったですが、読んでくれてありがとうございました!!
コメント
2件
終わっちゃったよ35話ぐらいにあった学校のやつの続きってやめましたか?