篠崎莉音「え……?ほんとにここで合ってるの……?」
優羽「うん!ここに僕のお兄ちゃんたちが居るんだよ〜!」
あれから私は優羽に連れられて上の階の部屋へと来ていた。
篠崎莉音(でもここって、私以外誰も入居者いないって、管理人さんが言ってたような……?)
ガチャ……
優羽「ただいまー!!」
??? 「おう、おかえりー!」
???「もー、遅い〜…」
??? 「その子が新しい入居人さん?!わー!!可愛い!!!」
篠崎莉音「?!?!?!」
(え?え??え??誰もいないはずの部屋に3人の男の子が……?!しかも何かめっちゃ品定めされてるような…気がする。)
ジー……。
篠崎莉音「ひゃあ?!あ、あの??」
???「あ!こら!陸!そんなにジロジロ見ないの。ビックリしてるじゃん。」
陸 「はーい…。」
???「ごめんねー、陸は初めて人間を見るから、多分珍しかったんだよ。このアパートに人間は何人か来てたけど、皆俺達のこと見えてない人達ばっかりだったからね〜…。あ、そうそう!自己紹介がまだだったよね!俺が長男の海。そしてそっちでムスくれてるのが、次男の陸。そして君の隣にいるのが三男の優羽だよー!宜しくね!」
ぎゅっ……
篠崎莉音「ふぇ?!あ、は、はい!宜しくです……!」
(なんだかすごくフレンドリーな人だなぁ……。悪い人では無さそう…?…ん?でも、優羽は1人だったって言ってたような……?)
篠崎莉音「あ、あの、失礼かもしれないですけど聞いてもいいですか?」
海 「んー?どうしたのー?」
篠崎莉音「あの、3人はその、本当の「家族」ではないですよね……?多分……。」
シーン……。
篠崎莉音(あ、やば、またやっちゃっ……。)
あはははっ!!
篠崎莉音「?!?!」
海「ごめんごめん…笑そこまでどストレートに聞いてくる人って、今まで居なかったからさ…。なんか新鮮だなって笑」
陸 「…って言うか、無神経。」
篠崎莉音「う、、」
海「こら?陸〜?」
陸「はいはい…。」
海「あのね、確かに俺達は本当の家族では無いけど、それでもこうやって同じアパートに憑いた者同士。本当の家族みたいにこうやって過ごしてきたんだ。それにね、ほら。」
そういうと陸さんはおもむろに窓の外を指さして見せた。
篠崎莉音「?!」
(え……?他にも幽霊…?ってか、妖怪…?的な人が沢山居る…。)
篠崎莉音「あ、あの、もしかしてここってー……」
海「そう!お察しの通り!このアパートの住民は、君以外、全員皆「ようかい」なんだ!」
篠崎莉音「……え、え……」
ぇぇええええ〜?!?!?!
ーこうして、またもや、とんでもない事実を知った私は、この先、このアパートで上手くやって行けるのか、ますます不安になった、私なのでしたー…。