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しなもん ここあ たん .ᐟ
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俺を見ろ――灰色のユラシーアの裏路地。冷え切った朝靄の中、俺は壁に追い詰められていた。
長身の影が、ふいに目の前に立ちはだかる。ロシア。氷みたいな気配と、重すぎる視線。細い路地の壁に手をつかれた瞬間、心臓が跳ねた。壁ドン。耳元で氷の吐息がかかる。
「……いつまで俺から逃げるつもりだ?」
低い声が胸に突き刺さる。喉が凍る。息がうまく吸えない。俺は中国、紅星。死んだ魚の目のまま、一歩も動けなかった。逃げ道はない。目の前の怪物の心の声が、押し寄せるように分かる。
――見ろ。俺を見ろ。逃げるな。逸らすな。俺だけを見ろ。
無意識に視線を逸らした。次の瞬間、顎をすっと掴まれる。氷のように冷たい指先。思わず身がすくむ。
「……なあ、見ろ。俺を見ろ。目を逸らすな」
声が低く、強く、重い。俺の心臓が、嫌なほど大きな音を立てる。五百年の付き合いで、こいつの本性はよく知っている。執着と孤独でできた氷の怪物。……怖い。けど、突き放せない。胃が死ぬ。
吐息が白く重なる。路地は静まり返り、俺とロシアだけの空間になった。逃げられない。逃げる気も、なぜか失せていく。心の奥で、重力みたいに沈んでいく声がする。
――ああ、また俺は、こいつに溺れるんだろうな。
コメント
1件
壁ドンからの展開、めちゃくちゃ刺さったわ…!ロシアの低い声と冷たい指先の描写が生々しくて、臨場感やばかった。特に中国の心の声「ああ、また俺は、こいつに溺れるんだろうな」の諦めと甘えが混ざった感じ、たまらん。五百年の関係性が背景にあるからこその重みだな。続きが気になりすぎる🔥