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どれくらい意識がなかったのだろうか。そっと目を開けると見えたのは白い壁だった。
「、、、天国、、、だったらどんなに良かったんやろうな」
俺は苦笑しながら寝かされていたベットから上半身を起こした。ふと、自分の首に違和感を覚え触るとそこにはチョーカーらしきものがあった。チョーカーはきつくも緩くもなく、俺の1部のように首あるだけだった。
「逃げられると困るからな。」
「、、、、そんなことせんでも逃げへんって。」
声の方に顔を向けると青髪の男性がいつの間にかベットの脇に座っていた。きっと彼が天使様なのだろう。不思議と怖さは無い。不気味さもない。吸い込まれるような青い瞳に、息を飲むような深い青髪が彼の人外さをきわだたせていた。
「俺からしたらこんな状況になってんのに冷静にいるお前の方が不気味だよ。後、俺の名前はいふだ。天使様だなんてキモチノワルイ呼び方せんといてくれる?」
天使様、、、いや、いふは随分と機嫌が悪いらしい。ムスッとした表情で俺の事を見ている。
(不気味、、、ね。)
改めて部屋の中を見るが、本当に白いという感想しか出てこない。白い空間の中で、俺といふだけが異物のように浮いていた。このまま白い空間と溶け合ってしまえたらどんなに楽だったのだろうか。まぁ、それが出来ないから消えたいだなんて思うんだろうけど。
「なぁ、いふはさ。俺に何をしたいん?ただ願いを叶えるわけやないんやろ?代償だっているだろうし。」
この世に代償のない願いなんて存在しない。ましてや都市伝説なんて言われたものなのだから余計、代償が大きそうだ。
「、、本当に消えることが代償だったら嬉しいんやけど、、」
ガバッ
そんなことを言うと俺のチョーカーをいじっていたいふは突然俺に抱きついてきた。
「うおっ!危ないやろ!」
驚いて思わず声をあげた俺の口にいふは指を立てるとニコニコと笑いながら言った。
「俺が悠佑に求める代償は1つ。、、、悠佑の記憶だけだよ。」
つづく(ハートなんかいっぱいありがとうございます)