僕は道の挙動に合わせてる間、周りを隅から隅へと観察したけど、周りは風の音と道が軋む音しか聞こえず、何か特別な存在があるとも思えなかった。僕はあさを抱えながら、揺れに耐えた。しばらくすると揺れは収まり、音も風が吹く音しか聞こえなくなった。すると、あさが目をこすった。まさかと思い、あさの方向に目を向けると、そこには目が開いているあさが居た。あさは僕の方を見た瞬間、顔が青ざめて、僕に指を指した。「あなたって…あのときの…」あさは警戒心剥き出しで、抱いていた僕の腕を弱い力で振りほどいて、腰に携帯していた銃のような物を取り出した。「ちかづかないで…!」僕は必死に弁護した。「違うよ、違うよ!僕は君を傷付けないから…ね?あさちゃん…?」そう言うと、あさは銃を構える手を下ろした。「ほんと…?」銃を下ろしながら、震える手で涙を拭いている。あさの胴体には大きな包帯が巻かれている事にあさが気づくと、触ろうとしていたため、止めた。「さわらないでよ…」あさは僕の事を嫌っているのか、話を聞いてくれない。
僕はここの事を知りたいので、あさに質問した。「あさちゃん、ここってどういう所?」「おしえない。」「あさちゃんに姉妹や兄弟とか居る?」「おしえない…」あさは僕が質問を重ねるにつれ、目から涙を流してる事に気づいた。「ごめん。無理に答えなくてもいいから。」「おしえ…ないっ…だもん…うわぁーん!」急に泣き出して、僕は焦った。触るなと言われたが、頭を撫でて、なだめてあけることにした。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!