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目の前で、一筋の涙を流す夢の番人の綺麗な瞳に、心が囚われた気がした。
普段は見る機会のないプラチナブロンドは、柔らかな髪質を表すように、ちょっとした動きで、ふわっと揺らめく。その下にある顔は男とは思えないほどすごく整っているだけじゃなく、妙な色香を放っていて、見つめられるだけで誘われる錯覚に陥りそうになった。
さきほど背中に触れた肌も、何とも言えないしなやかさをてのひらに感じてしまい、ドキドキをひた隠すのにかなり苦労させられた。
「おまえの熱を直に感じたい。キスして……」
「夢の番人さまに、キス、なんてそんな、大それたことっ」
「大それたことじゃない。俺のはじめてを敦士にあげるだけだ」
自分よりも背の高い彼は、跪いた状態でも目の上に顔があった。大きな瞳から流れた涙を拭ったばかりで、ちょうど頬に手を添えている。その手を使って、キスすることは可能だった。
女のように美しい色をした唇に狙いを定めながら、すくい上げる感じで触れるだけのキスをしてみた。
(柔らかくて、しっとりした唇を自分の唇で受け止めるには、刺激がありすぎる!)
得も言われぬものを感じて、頬に添えていた手を退けながら、慌てて顔を背けた。それなのに夢の番人は敦士を捕まえたことを示すように、躰に回した両腕の力を抜かなかった。
「は、放してください。これ以上はもうできませんっ」
「初心だな。触れただけの口づけで、こんなになるなんて……」
耳元で囁かれた事実に、ぶわっと顔全部が熱くなる。
そんなことに気を取られて油断していると、抱きしめられた片手が下半身に伸ばされた。カタチが変わって敏感になっている部分に、自分よりも小さな手を使って上下に弄られる。
「やめてくださぃ、嫌です!」
「適度に太くて長い、いいモノを持っているというのに、童貞なんてな」
履いているスラックスの上から感じるように触れられるだけで、番人の腕を振り解く力が削がれていく。
「やぁっ、あっ、んあっ……」
自分でするよりも気持ちのいいそれに身を任せた瞬間、その場に押し倒された。したたかに打ちつけた頭の痛みに顔を歪ませている間にベルトを外され、スラックスと下着が一気に下ろされてしまった。
「おまえはこのまま、大人しく寝転がっていろ。もっと気持ちよくしてやるから」
ついさっきまで涙を流していたとは思えないくらいの得意げな笑みを、顔面にありありと浮かべながら、じっと見下ろしてくる。
「こんなの嫌です。まるで逆レイ――」
「何を言い出すかと思ったら、よく考えてみるんだな。キスを仕掛けたのは、おまえからじゃないか」
「それは、その……番人さまの言葉に、思わずしてしまっただけで」
「確かに誘ったのは俺からだ。しかし行動に移したのは敦士、おまえからじゃないか。あのときの俺は、指一本動かしてはいない」
突きつけられた事実に、敦士は反論できなくなった。
上にワイシャツ、膝元に衣類を固めたまま困り果てていると、勝ち誇った顔の番人が、ここぞとばかりに跨ってきた。
「俺のはじめてをやるんだから、悦んで受け入れろ」
言うなり熱り勃った敦士自身を手荒に掴み、入り口付近に先端を押しつけて、馴染ませるように動かされた。ぐちゅぐちゅという水音が、羞恥心をここぞとばかりに煽る。
「んんっ……ぁっ、っぁあ!」
「人間の精を受け入れないとやっていけないこの躰に、不自由さを感じてはいたが、手間のかかる面倒くさいことを、自動的にやってくれるのは、やっぱり楽だな」
番人が腰を下ろしていくと共に、自身が中にズルズル挿いっていくのがわかった。
「じっ自動的!?」
告げられた言葉に驚き、思わず腰を横に引いてしまった。
「おっと! 勘違いするな、馬鹿」
敦士が腰を引いたことにより、半分まで挿いっていたモノが抜けかけた。番人が慌てて手を使って、抜けないように施す。
「だって自動的って、なんか怖い……」
「まったく。男同士でヤる場合、挿れる穴はひとつしかないだろ。そこは女みたいに濡れることもなければ、普段は硬く閉じているから、解さないとすぐには挿入できないんだ」
説明を聞いてる間に、敦士のモノが番人の中に全部飲み込まれてしまった。
(番人さまの中は、すっごくあったかくて気持ちいい。躰の表面は肌の色白さを表すようにとても冷たくて、氷みたいだったのに――)