snowman
俺は、バランスを崩してそのまま川へと落ちた
でもそれを後悔した何故かって?
だって…
“翔太くんも”一緒に落ちたから
ボコッ…ボッココッ……
涼太(なんで……しょうたくんもいっしょにおちてるの……?だめだよ…しょーたくんは生きなきゃ)
(おれ…と、……ちがぅ……んだか…ら………)
グイッ…!
翔太「プハッ!」
「涼太!涼太!?」
「とりあえず、上がらなきゃッッ!!」
涼太「パチッ……ここどこ…?」 ムクッ…(起
知らない場所、物が少なくて殺風景
ベッドは広くて温かい…
腕が痛い…やっぱり染みたのだろう深く切りすぎたか…
ガチャ
翔太「!涼太!?起きたの?!」
涼太「…え翔太くん…なんで?」
翔太「涼太、バランス崩して川に落ちたんだよ覚えてないか?」
涼太「…あ、ぁと…えと…」
「……ごめんなさっ…」
ギュッ!
涼太「はぇ……?」
翔太くんは俺を強く、優しく包み込む
人肌に触れたのなんていつぶりだろうか
人と触れ合うのがだめになったあの日から拒絶していたのに、今は拒絶どころか謎の温かさを感じる
翔太「…どうして飛び降りようとしてたの…何か嫌なことあった?」
「連絡つかなくなって心配したんだよ?オレに何でも言ってくれよ…涼太が心配なんだ……」
なんでこの人は、俺をここまで心配するんだろうか…“推し”なのに身内みたいな接し方
俺はこの人にとってどんな存在なのだろうか…
涼太「……いじめ…られてるの……」
翔太「…え?」
涼太「会社で……上司と後輩に、仕事押し付けられたり…昨日は、ライブだったから…有給申請したの…でもさっき連絡あって、」
翔太「うん、…」 ナデナデッ…
涼太「俺の有給…上司が全部使ってたみたいで………無断欠席扱いになってた…上にバレたくなかったら今から会社来て、仕事片付けろって…言われた」
「だから…翔太くんとのLINE終わらせて、会社に行ったの…でも限界きちゃって………気づいたら橋にいて……翔太くんに話しかけられて、バランス崩して、落ちた…………」
翔太くんは俺の話を静かに、相槌を打ちならが聞いてくれた
途中、俺が言葉に詰まったときは背中を優しくさすってくれた
翔太「そうだったんだ…気づけなくてごめんな」
「俺が…」
「“俺達が一番知ってなきゃいけないのに”…」
涼太「…?」
「翔太くんが謝ることないよ…」
「俺が…全部悪いんだから…」
翔太「ねぇ…会社辞めよ?」
涼太「…は?」
それは、俺の頭になかった言葉
辞める…それはできなかった
涼太「無理です…俺の、生活もあるし……転職できるかもわからないのに……」
翔太「…じゃあ俺の家住む?」
「涼太が…涼太の心が回復するまで、一緒にいよ?大丈夫、俺が守るから…」
涼太「…だめですって……もう…何度も言ってる…貴方は“アイドル”なんです…ファンとこんなに親しくしてる時点で…バレたら、貴方の今後が崩れるかもなんですよ……?」
翔太「崩れてもいい今は、涼太を支えたい」
涼太「……」
その目は本物だった
怖いくらい…でも………
涼太「…いいんですか…?」
翔太「うん、」
「俺に甘えてよ…“推し”としてじゃなくて」
「一人の友達として」
学校行ってきまーす(_ _;)
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