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雨花「……みんな起きてる?」橙「もちろんです」
桃時「先生たちも行ったわね」
兎白「今のうちに作戦を遂行しよう」
瑠璃人「でもまだドアの前で話してるんで、頃合をみ計らってから行動しましょう」
雨花たちは起き上がると、ドアの前に張り付いた。そして先生たちが職員室に行くのを待つ。
橙「一体何を話してるんでしょう」
桃時「幼児たちの連絡とかじゃないの?」
兎白「あの先生のどちらかが誘拐犯……」
瑠璃人「どうなってるんでしょ……」
雨花「どちらか……ね」
雨花たちは先生たちの話を盗み聴きすることにした。すると……
「ホントガキってやんなるわ」
「すぐ泣くし鼻水も汚ったないし……マジ最悪……」
「キモいし大っ嫌い」
「あんな奴らをどうして守らなくちゃいけないんだよ」
橙・桃時・兎白・瑠璃人「!」
雨花「なるほどね……」
橙「どういうことですか!?あんなに優しそうな先生が悪口言ってますよ?!」
桃時「しかもどっちかじゃなくてどちらも言ってるわね……」
瑠璃人「先生マジで!?」
兎白「仮面を付けていたんだな」
雨花「…………」
しばらく幼児たちの悪口を言っていると、先生たちは職員室まで向かった。
橙「あのどっちかが誘拐犯にしろ、あの人たちに先生になってもらうのは嫌ですね……」
雨花「……とりあえず、早く職員室行こ」
雨花たちも職員室へと向かった。
「ふぅ……つっかれた」
「やっと休めるぜ」
桃時「じゃあ雨花と橙と兎白は、反対側のドアに隠れて」
瑠璃人「けっ!お前らに休みなんて与えねぇよ!行くぞ!桃時!」
桃時「えぇ!せーの」
「「うぇぇぇぇん!!!!」」
「な、何!?」
「何で子供の泣き声が……?」
先生たちは職員室から出ると、職員室の入口の前に立っていた桃時と瑠璃人をみる。桃時と瑠璃人はなるべく雨花たちが職員室に入りやすいよう先生たちを軽く誘導する。
雨花「よっし!今だね」
橙「はい!」
兎白「あぁ!」
雨花たちは、無事職員室に入れた。
雨花「まずはデスクの中をみよう」
橙「特に何もないですね」
兎白「あぁ男の先生のデスクにもないな。手帳はあるが」
雨花「……ん?今兎白くん何て言った?」
兎白「ん?手帳があるって」
雨花「それってもしかして本革の手帳?」
兎白「あぁそうだ」
雨花「じゃあやっぱり……その本革の手帳みせ……」
「何で泣いてるか頑なに教えようとしないわね……」
「こっちが優しくしてるからってそれに漬け込みやがって……」
橙「先生たちが戻ってきます!」
兎白「机の下に隠れよう」
雨花「…………」
雨花たちは机の下に隠れた。
雨花「よし……」
橙「雨花さん?何で録音してるんですか?」
兎白「今先生たちは二人いるんだぞ?犯人が一人っきりの時、録音しないと話ができない」
雨花「うーん?どうだろうね」
橙・兎白「え?」
雨花は先生たちの方にスマホを向ける。
「それにしても」
「「妖怪なんている学校早々ないんだから今のうちにたっぷり稼がねぇとな」」
橙・兎白「!」
先生たちは誘拐について話している。
二人で。
「妖怪を売れば沢山の金が手に入る!しばらく困らねぇぞ!」
「そうね!ガキは利用しがいがある」
「今まで売ったガキたちとは比べられないほどの大金だぞ!」
「ガキは純粋だし金になるなぁ〜」
次から次へと出てくる誘拐への糸口。
雨花「やっぱりグルだったんだ」
橙「どういうことですか?」
雨花「あの女の先生と男の先生は色違いの本革の手帳を持ってた。そして幼等部は人手不足。それなのにお揃いの手帳を二人共同時に持ってるなんて普通じゃない。何か繋がりがあるはず。そして今回の誘拐事件。連動した何かがないと想わない方が不思議」
兎白「じゃあこのことを雫さんに報告しないとな」
橙「そうですね。……あっまずい」
兎白「どうしたんだ?」
橙「意識が……遠のく……」
雨花「あら。もしかして戻りそう?」
兎白「何!橙堪えてくれ!」
橙「そうしたいのは山々なんですが……もうっ!ダメ……うぅ、うわぁぁぁぁん!!!!」
雨花「ありゃま」
兎白「ま、まずいぞ!」
雨花「充分、録音データは取れたからあとは撤退すれば良かったんだけど……:
「何で職員室の中から子供の声が……!?」
「誰だ?!」
先生たちはドスの効いた声で雨花たちを呼ぶ。
雨花「はぁーい!先生!わたしはここにいまーす」
橙「うわぁぁぁん!」
兎白「かなりまずいぞ」
「……もしかして私たちの話聞いてましたか?」
「もしそうなら……」
「「生きては返せない……」」
兎白「!、どうする?雨花?」
雨花「わたしが闘う。兎白くんは橙ちゃんお願い」
兎白「しかし……!」
雨花「大丈夫」
雨花の目は真剣そのものだった。
兎白「……分かった」
「何ぼそぼそ話してる?」
「話を聞いたのかって聞いてるのよ!!」
雨花「だったら何ですか?」
「ガキのくせにスパイごっこ?大人を舐めすぎじゃない?」
「あんまふざけた態度取らない方が良いぜ?」
雨花「うーん……そうだね」
次の瞬間、雨花は例の薬を飲む。
「な、何!?」
「お前もしかして妖怪か!!」
雨花「いや違うよ。妖怪じゃない」
「ふ、ふん!驚かせて……」
「それにまだガキじゃねぇか!」
雨花「…………うーん」
雨花は机の上に置いてあったペン立てを持つ。
雨花「あなたたち何か勘違いしてるようだけど、子供はね。純粋とは限らないんだよ。中には性悪なことを考える子供もいる。そんな子供だからこそ保育士は叱って育てなくちゃいけないの。そして大人になるっていうのは、自分よりも大切な存在ができた時に、それを全身全霊で守り抜く覚悟をすることだよ。あなたたちはそんな存在もいないし、そんな存在がいたとしても覚悟なんてできない。つまりそのどちらも満たしていないね」
雨花は、そう言いながらペン立てを三つ机の上で移動させて置いた。
雨花「あなたたちは歳をとっただけの子供ってこ〜と♡」
先生たちの血管がピキっといった音がした。
「「ふざけるなぁ!!!!」」
先生たちは襲いかかる。
その瞬間、雨花は空中で一回転をし、先程移動して、置いたペン立て二つに一番近くで着地すると、ペンをペン立て二つから各一本取り出し、女の先生の顔スレスレでペンを投げ、壁に刺さった。女の先生は動けなくなった。
次に男の先生の突進を足の間にスライディングして避けると、さっきと同様置いたペン立ての一番近くに着き、そこに入れてあったカッターを持って、男の先生の背後に回り込み、顎にカッターを突き立てた。
「ひ、ひぃ!」
「か、勘弁して……」
雨花「あんまり子供のこと……」
「「舐めない方が良いよ」」
ドスの効いた声で雨花は言うと、先生たちは気絶してしまった。
桃時「雨花、橙、兎白!大丈夫?!」
瑠璃人「何ともないか?!」
雨花「あぁ二人とも元の姿に戻ったんだね」
兎白「俺と橙はずっと机の下に隠れていた。雨花の戦闘の邪魔になると想ってな。本当は参戦したかったんだが橙がずっとこのままで……」
桃時「アタシたちは中々幼児退行が戻らなくてさっきまでずっと泣いてたのよ……やっと元に戻ったから薬を飲めたってわけ。」
瑠璃人「でも話は聴いてたぜ?まさかこの二人ともグルだとは思わなかったな」
兎白「俺たちも薬を飲もう。な?橙」
橙「うっ……ひっぐ」
桃時・瑠璃人「か、可愛い!!!!」
雨花「あはっ!雫さんのとこ行こ?」
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雫「ありがとう。誘拐犯を捕まえてくれて」
橙「いいえ!私は特に何もしてないですし……」
兎白「だが、橙も一緒に誘拐への糸口を探してくれたし、頼もしかった」
桃時「アタシたちの演技も?良かったんじゃない?」
瑠璃人「途中からマジ泣きだったじゃねぇか」
桃時「あんたもでしょ!!」
雨花「誘拐犯はどうなるんです?」
雫「誘拐犯は無事捕まることになった」
雨花「そうですか……」
雫「…………」
幼児化した時は、
黒曜石のような煌めきがあったのに、
今は、闇を飲み込む更なる闇のような目になっている
雨花……
橙「じゃあ私たちはこれで」
雫「あぁ」
「なんか幼児化してたから身長の差がえぐいわね」「お前ホントチビだよな〜」「まぁまぁそこまでに」「喧嘩の原因を自ら作ってどうする」「幼児化してる時のみんな可愛かったね」
雨花たちは騒ぎながら帰っていった。
おまけ
橙「雨花さんは何故一回も精神が幼児退行しなかったんですか?」
雨花「たぶんそれスープのおかげ」
桃時「あぁあの作ると妖怪の加護を受けられる奴?」
瑠璃人「そんなのがあるのか?!」
兎白「味が気になるな」