夜が好きな理由
自由少女
私が夜を好きになったのは、確か3歳の頃だったと思う。母さんと一緒にお祭りに行ったんだ。夜は暗いはずなのに、商店街は昼間みたいに明るかった。普段着ない浴衣や髪型をして町を歩いた。
「楽しかった?」母は言った。
うん!と元気な声で私は返した。
少し大人になって夜景というものを知った。お祭りのような楽しい感じではなかった。淡い光ではなかった。でも楽しかった。夜は、綺麗なのである。
車の中で外を見るのが好きだ。特に夕方から夜にかけての時間。時計の短い針が12を指すまでの時間。外は暗いけど、私の心は明るくなっていった。夕方から夜にかけて、空の色が変わるだろう?それを眺めるのが好きなんだ。でも、夜から朝になるのはあまり楽しくない。だって、太陽が出ている間は人が活動する時間じゃないか。そんなの嫌だ。私は夜が好きなんだ。夜は私の時間だ。自分が中心に世界が回る唯一の時間だ。それを終わらせるのが太陽なのだ。
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