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「えっと…まず、相手の血を読み取らないといけないから、試しに壁に触れてみて」
「…こうか?」
「どう?相手の情報が入ってこない?」
「やばいなこれ、頭が痛くなる 」
今はスキルの使い方講座中。ミリカはアスバルトに五感強化Lv1の使い方を教えていた。
「んで、これからどうすればいいんだ?」
「じゃあ、あらかじめこのスライムを渡しておくから、ここに情報を全部入れておいて」
ミリカはスライムで、正直意識しなくてもできるが、アスバルトはスライムではない。だからスライムに情報を全部入れる作業から始めなくてはならないのだ。
「ひぇっ…まじかよ、まあ、頑張ってみるわ 」
アスバルトは意外と覚えが良かった。本当は一日がかりでやることをたったの2時間でやってのけたのだ。
「終わったぞ」
「ずいぶん早いね!そしたら、そのスライムを身体にいれる感じで変身してみて」
「はあ?一回お手本見せてくれ」
「いいよ」
スキル発動変身
ミリカの身体が魔属性特有の紫色に包まれ、ぐるぐると渦巻いて行く。
「できたよ」
そこに立っていたのは、紛れもない別人だった。ミリカはエルフの少女になっていて、薄紫色の髪が魔属性を強調しているように思えた。
「…お前、本当にミリカか?」
「ミリカだよ?」
「俺もこうなるのか?」
「たぶんね。でも、これなら気付かれ無いんじゃない?」
「あぁ、絶対に大丈夫だ!」
こうして、脱出計画は順調に進んでいった…はずだった。