テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
※鬼滅の刃の二次創作です。
episode 1
淳「ねぇ~さーん!」
「見てみて!! でっかい魚がたっくさん釣れたんだ!!」
✂ーーー
僕の名は三ケ峰 淳。
13歳。(現時点)
僕の家は漁をやっていた。
家が沿岸の近くにあり、
“春になると、この海に魚が産卵をするために寄ってくるもんだから、アジ、イワシ、諸々が沢山取れるのだ。”と、今は亡き叔父が言っていた。
叔父が死に、それっきり 姉**(三ケ峰 須美)と2人きりで暮らす僕は、食いきれなかったそれらを市場で売っぱらって生活費を賄っていた。
しかし、どうしたことかもう春になったはずなのに魚が全然取れないもんだから、これは数日ぶりの食料となる。
✂ーーー
それらの魚は全長80cmをゆうに超える。
間違いなく大物だ。小柄な淳にとっては、カゴに入れて担ぐのもやっとだった。
淳「こんなにでっかい魚なんだもん!! きっと姉さんも喜んでくれるはず …! 」
淳は歩いて家まで帰った。
……
夕焼けが辺りを照らし、水田の稲が黄金に輝く。風はゆらゆらと淳の髪をなびかせ、まるで隣に誰かいるような……
そう自然に魅了されていた瞬間、風が淳に向かって勢い良く吹き出した。
淳「っ……?!」
((「‥淳、…□□□□危ない…!。」))
何かが僕に囁いた。
驚いて振り返ってみる‥も、そこには水田が一面に広がっているだけであった。
淳「(また幻聴かよ……怖いなぁ、)」
そうだ。僕は良く幻聴が聞こえる。
まるで叔父のような声が聞こえるときもあれば、聞き馴染みのない声を耳にすることもある。
今回は後者の方であった。
しかし、彼らが僕に何を告げたいのか、全くわかりゃしない……
なんせ、その幻聴は所々途切れているから、何を言っているのか理解できないのだ。
いつも通りのことだと幻聴を聞き流し、トボトボと道を歩き続ける。
今現在何が起こっているのかも知らずに……
家に着き、戸を開ける。
淳「ねぇ~さーん!」
「見てみて!! でっかい魚がたっくさん釣れたんだ!!」
ツーンッ……
淳「(なんだこの異臭……血?、の匂い……)」
部屋の中央へ視線を向けると、 そこには首をはねられ、皮膚は傷つき、血まみれで床に横たわる姉さんと、 何か不吉なオーラを放つ男 が立っていた。
淳「……え、… 」
あまりの衝撃で声が出ない。
息が荒くなる。上手く呼吸が出来ない……
カゴが落ち、せっかく釣れた魚が地面に散乱する。
淳「…姉さん __姉さん“!?」
姉さんのもとへ駆け寄ろうとした…が、足を挫いて転倒してしまう。
淳「ぁ”痛…っ!!クソッ…ね,ねぇさん……!!」
そのまま床を這いずり、やっとの思いで姉さんの腕を掴んだ。
須美姉さんは全身に血が飛び散り、血液不足となったせいで、肌の色は青白く変色していた。
幸いにも姉さんはまだ辛うじて生きていたが、僕を見た後大粒の涙を流し、黒い塵となって跡形もなく消えてしまった。
その瞬間、僕の中で何かが切れた気がした。
“あの男が姉さんを殺した”
僕は迷う訳もなく落ちた魚を手に取り、男に投げつけた。
…がしかし、その男は刀で瞬時に魚を刻み落とした。
男「何をしようと無駄だ。」
淳「無駄 …?なにが無駄だ、お前は僕の姉さんを殺した…! 貧しいながら 一生懸命育ててくれた姉さんを……!!」
涙と冷や汗でびしょびしょになりながらも必死に抗議する。
男「お前は何か勘違いをしている。お前の姉は人間ではない。」
淳「は …?」
男「恐らく何者かによって鬼にされたのだろう。」
「俺が来なければ… お前は食われていたかもしれない。」
淳「(鬼…って?なんだそれは。
そんなもの実在するわけないだろ。)」
男「…そうとお前‥その銀と翠色の髪…」
「…親父とそっくりなのだな。」
淳「は、はぁ…‥? 僕に父は居ませんよ。母が陣痛で苦しんでいる間に失踪して…そんな者父とは呼べない。」
男「お前は勘違いが激しい。」
淳「ピキッ、さっきからなんなんですか?!!」
男「お前の父は偉大な者だ。そんなことをしでかす訳が無い。」
淳「…何がどうあれ、僕の父は愚か者だ。父のせいで母は介護なしにたった1人で僕を産んで死んだんだからな!」
カァー! カァー!(鎹鴉(寛三郎))
男「…急用だ。少し着いて来てくれないか、名前は何と言う?」
淳「ん?淳…え、ぁちょっと待って着いてくってどこに__?!!」
その瞬間、僕はその男の背中に乗せられ、今までに感じたこのとない速度で連れ去られた。
episode 1 ~ complete ~
<登場人物> (episode1)
三ケ峰 淳 ⇐ 主人公
三ケ峰 須美 ⇐ (淳の姉) 鬼化、討伐される
男⇦ 鎹鴉の名前で大体察しがつく人も…?
・父は失踪し、母は淳を産むときに体力が尽きて死亡する。
・叔父は2人を心配し育ててくれたが、淳が8歳のときに病死する。
・淳は父の遺伝により、銀色と翠色の混じった長い髪、鮮やかな青い瞳を持つ。
(須美は母似で、紺色でツヤのある長い髪と茶色の目をしている。)
イメージ↑
どうぞこれからこの作品を宜しくお願い致します<3
コメント
3件
文才かな?