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我が国が1年以内に終わります、となっても、私達に未来がないとわかっていても教育が続くのはどうなっているんだろうか。巨大隕石の落下が確定しているのに。隕石が日本に落ちて、破滅する。

他の国にも被害が出るらしい。

どんだけ大きい隕石が落ちるんだよ!ふざけんな!

とキレたくなるが、怒りをぶつけるべき相手など存在しない。誰に当たっても八つ当たりだ。

全て隕石が悪いから。その隕石、どうにかできないの?と世界の科学者がこぞって研究しているらしいが、何の成果も出ていない。

期末テストなんて、高校生にもなれないのに。

憧れたキラキラなJK、青春。

スカートをちょっと折って、友達とスタバいったりして、バイトに疲れても励ましてくれる彼氏がいる。そんな青春を謳歌したかった。

ま、そんな青春そもそも私に訪れたりしないけど。

せめてもうちょっと顔が良くて性格が良ければな。馬鹿でも少しは許してくれたかな。

なんにもない今は許してもらえないだろうけど。

シェルターとか作っても、衝撃波か何かで大津波どころの騒ぎじゃない超絶絶望国家消滅レベルの大津波が全方向から襲ってきて、何もかも飲み込んでしまうらしい。

絶望しかない。そんな世界見たくもない。

海外逃亡する人もいるんだろう。金持ちとか。

逆にもうなくなるってことで海外観光客が増えたそうだ。日本のカルチャーがなくなるのは寂しいだろうな、外国の方も。私は死ぬから関係ないけど。

死ぬ、死ぬのか。

海外逃亡出来るような家じゃあるまいし。友達が、特にあかねが死ぬ所は見たくない。

もうそんな日本滅亡の話がニュースで流れることはあまりなくなってしまった。

過去に何かのウイルスが蔓延した時も初めだけで最終的にはニュースに流れなくなったらしい。未知は怖いから。小学生の頃社会でふわっと習った気がする。令和の学生は学校に行きながらもできたはずの青春を何もかも目の前で奪われたらしい。可哀想だ。

私達は未来が目の前で奪われたわけだけど。

なんにもない分まだ優しいのか。死ぬから。

海外逃亡してもみんな死んでいたら虚しいな。

眠くなるような6時間目、歴史を半分寝ながら聞いていた。

「遥か昔、ある預言者が世界が終わると言っていました。それでも世界は終わらず、今があります。」

預言者なんてほぼ出鱈目だろう。当たれば天才と言われ、外れれば出鱈目ホラ吹きと。なんのために預言者なんているんだ。

「今、1年以内に日本が終わると言われ、皆さん勉強をサボってはいませんか。どうせ死ぬ、日本に未来などないと。」

ぎくりと胸が痛んだ。

「日本が壊滅状態となっても、もしも運良く生き残ってしまったら。海外等に助けられ、生きることとなったなら。」

生きたくもない、そんなことになってしまったら。

「生きるとなれば知恵が必要なのです。過去など知って何になると思う人も居るでしょう。過去を知るからこそ、同じ轍を踏まないで済むのです。」

この話、誰が聞いているのだろう。

どこまで届いているのだろう。

教師も大変だ。未来のなくなった子供たちに教育を施すなんて。こんな話をする先生も、どこまでが本心かなんて、誰にも分からない。

6時間目を終えて、帰りのホームルームをして、教室を出る。

「ねぇ、あかね」

「なに?」

「私達にほんとに未来なんてあるのかな」

あかねは目を伏せた。少し考えてから

「あるかもしれない、でも、ない方が幸せ」

と前を向き微笑をたたえて答えた。

「あかねは海外行くの?」

「分かんない。でも私は行きたくない」

「私も海外、行きたくなんてないな」

少しの沈黙。目の前をクラスの男子が走って行く。

私が沈黙を破った。

「期末テスト、どう?」

「ああもう全然駄目。ワークも終わらない。意味わかんない、特に英語と数学。」

「お前の全然駄目とか信用出来ないや」

あかねは別に頭悪くないから。

「K高校とか絶対無理。隕石にありがとう。もう勉強なんてできない」

あかねは少し苦しそうに笑った。

「K高校は進学校だもんな」

そう、K高校は県内でも高レベルの公立進学校。

あかねは頭のいいお兄ちゃんがK高校に行ったから、あかねも行かなきゃいけないらしい。

あかねの人生なのに、なんで決められているんだ。

「死なないでね」

「どうせ隕石で死ぬよ」

「自殺、しないでね」

「その時は止めてよ」

「恨まれても止めるよ、もちろん」

あかねと未来を見たいから。

世界の終わりのその日には、君と2人で逃げ出したい。

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