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髪の話4
ボスの髪
朝起きて、みんな(子供たち)が目覚めてくる前に朝ごはんの準備。
パンガールズの焼いたバゲットを分厚く切り、トースターに放り込む。
ベーコンを焼き、卵を割ってスクランブルエッグに。
美味しそうな匂いが漂い始めると、ドタバタと階段を駆け下りる音。
「ボスおはよ~!!」「朝ごはん何ぃ~?」
「はいおはようね、先に顔洗って来なさ~い?朝ごはんはベーコンエッグだよー。」
「やったー!」
朝からみんな元気だなぁ。
「らっだぁおはよ……フッwおまえ……鏡見てきな?」
「え?」
眠たげなぐちつぼに開口一番笑われた。
顔を見て笑い出すとか失礼な奴だな。
なんなんだ一体。
エプロンを脱いで鏡の前に立つ、あ。
「えーボス寝癖ヤバいよ?」
「ホントだwなんだコレw」
洗面所を覗いてふわっちがケラケラ笑う。
鏡に映る俺の髪にはなんというか、とにかく物凄い寝癖がついていた。
「俺こんな髪で料理してたのかw」
「ボス直してあげようか?」
「あー…きゅーちゃん頼める?」
「はぁーい、じゃあ椅子座って?」
きゅーちゃんがくすくす笑いながら寝癖直しを吹き付ける。
櫛で真っ直ぐに伸ばしてから後ろに撫で付け、いつも通りのオールバックが完成……
いや、なんか遊ばれてる?
「きゅーちゃん?」
「んー?なあにぃボス?」
「なにしとる?」
きゅーちゃんはさらさらと櫛を通し続けている。
「ボスの髪せっかく綺麗なのにいっつもおんなじ髪型じゃん?だからー、イメチェン!」
「えー……ま、いいけど……。」
「楽しそうだしわたしもやるー!」
「あたしもー!」
「え、じゃあ俺も!」
「ぺいんとはだめ!」「なんで!?」
影からコソコソ見ていた奴らがわらわらとやってくる。
パンガはいいけどぺいんとはだめ。なんか怖い。
もみくちゃになりながら色んな髪型にされる。
「うぉうぉ流石に三つ編みは無理だと思うよ?」
「といといワックスとって!」
え、ワックスまでつけるのか?
鏡を見るのが怖くなってきた。
ずっと見ているふわぺんがゲラゲラ笑っている。
お前ら後でおぼえてろよ。
「「「できたーー!!」」」
…………?
みなさん美女と野獣を見たことがあるだろうか。
とあるシーンで野獣がめかしこんで、トンデモな姿になる描写があるのだが……。
「いーじゃん!wwwらっだぁ似合ってるよ!」
「そーそー!今のボスはなんか…w…くっw」
「……バカに見える?」
「「wwwwww」」
まいったな…好きにさせすぎた。
「らっだぁパン真っ黒……!?ハハハwww」
「ぐちつぼ笑うなぁ!もー、朝ごはんにするよ!パン焼きなおさないと!」
俺を見てみんなが爆笑して、収拾がつかない。
「シスー!黒さぁーん!助けてぇー!」
もうどうにでもなれ!