あれからずっと学校を休んだ。体調は遠の昔に回復したが、精神的なものなのか朝起きれなくなった。立ちくらみや頭痛は日常茶飯事。ご飯も1食食べとけばまだいい方。カーテンも窓も締め切り、携帯の電源は切り、完全に連絡手段を断ち切った。俺が家に居ることが分かるのか、おばさんはポストの方にお金を入れるようになった。買い物もネットで済ませ、支払いも代引きでやるようにした。そんな生活が1ヶ月続いていたある日、インターホンがなった。宅配かなと思いドアを開けた。
「…よお。」
「…翔太。」
そこには前喧嘩をしていたはずの翔太が立っていた。
「…飯食ってんの?」
「…」
「随分と痩せたな。部屋も暗いし。」
「…学校は?」
「サボった。」
「…そう。」
「おう。」
「…何しに来たの?」
「呼び出し。」
「…呼び出し?」
「そ。カウンセリングの先生から。」
「…行かない。」
「言うと思ったわ。でも残念。今のお前なら俺でも運べる。」
そう言うと翔太は軽々と俺を持ち上げた。
「ちょ、翔太っ…離してっ…」
「目立ちたくないなら大人しくしてろ。」
「…っ…」
こうして俺は翔太に病院に連れていかれた。
「…え?」
「ん、何?」
病院に着くと、入口には『臨時休業』と書いてあった。
「空いてないよ?」
「そりゃあの人たちが今日はお前だけっつてたからな。」
「え?」
衝撃の事実をさらっと言われ、困惑していると裏口から人が出てきた。
「あ、翔太くん。連れてきてくれたんすね。ありがとうございます。…舘さん、久しぶり。」
「「(こっわ…)」」
久々に会った目黒さんはにこにこはしているものの、目が笑ってない。怖すぎる。
「(お前怒らせちゃいけない人怒らせたんじゃね?)」
「(俺もそう思う。)」
「2人とも?何固まってるんすか?」
「いや、何でも。涼太連れてきたんで俺帰ります。」
「え、あ…」
「じゃあな、涼太。」
翔太は逃げるように帰って行った。
「舘さん。」
「ひっ…」
名前を呼ばれ振り返ると、目黒さんはさっきのような目はしておらず、悲しそうな目でこちらを見ていた。
「心配した。あれから連絡つかなかったから…」
「…ごめんなさい。」
「謝らないでいいよ。…痩せたね。ご飯食べてた?」
「…」
「…とりあえず中入ろうか。」
そういう目黒さんに手を引かれ、病院ではなく3人が住んでる家に連れていかれた。
コメント
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続きありがとうございます😭