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次の日は、幸か不幸かグループ全員での仕事の日
「………」
俺は、今だにスッキリしない気分を引き摺りながら
楽屋に向かって歩いている…
「照、おはよ〜…って…なんか、機嫌悪い?」
深澤とは、もう長年の付き合いなので…
表情だけで、俺の気分がすぐにバレる
「気にしなくて良いから…。ちゃんと仕事はするし…」
「ふ〜ん」
さすがと言うべきか…深くは聞いてこない辺りが
俺の事を分かってくれていて、非常にありがたい
◇◆◇◆
「おはようございま〜す」
楽屋に入ると、どうやら俺達が最後の様で
すでにメンバーが揃って居た
9人も居ると、やっぱり楽屋の中は明るくて…
皆んな、それぞれやりたい事をやっている
『あっ…翔太…』
すぐに目が行くのは、いつも彼…
意識して追ってるわけでは無いつもりだが、気付くとその姿を見つめていて
バレたら駄目だと気付いて、慌てて逸らす事が多々あった
「あっ、照兄おはよう!」
俺を見つけた向井が人懐っこい笑みを浮かべて、こちらにやって来る
「康二、おはよう」
「………」
そのまま、首を傾げる向井
「……何?」
「なぁ…今日はあの眼鏡、かけへんの?俺、あれ気に入ってたんやけど…」
「あれは、当分かけるつもりないから…」
『お前もか…』とでも言いたげな、不服そうな顔
それでも、向井は粘ってくる
「何でなん?凄く似合ってたやんか…」
「眼鏡の事は、もう良いの!はい、この話はおしまい!」
「えぇ〜!何で〜?」
「何でも!はい、終了!」
それでもやっぱり、不服そうな顔をする向井に
俺は、深い溜息を吐いた…