episode.11「喧嘩.」
みんな訳ありだよこの小説の子たち
すたと
side.える
なんか起きたら知らない場所にいるんだけど!?
何これ!?
ここどこ!?
僕さっきまで学校にいて…
たしか、星くんに呼び出されて…、
そこから思い出せない、
何だったっけ…?
「あ、起きた ~ ?」
「…星くん。」
正直言って、いつもヘラヘラしているこいつを見ていると、
とんでもなく不快になる。
絶対こいつは気がついていないと思うけど。
正直に言うと、
多分お前のこと好きな人誰もいないよ ~ ??
って言ってやりたい。
「だいぶぐっすりだったね ~ !!」
「…ねえ」
「ん?どうしたの ~ っ?」
こいつはもう無自覚とか鈍感とかいう言葉で片付けていい奴じゃない。
こいつは…。
「なんで星くんは何もわかってないの??」
「ぇ、?」
ただの屑だ。
人の心を何も考えずに、ただただ自分の思いだけを貫き通す。
こいつはそういう奴だ。
「人のこと、もっと考えなよ」
僕は多分今までで1番低い声でそう言った。
自分ではわからないけど、きっとものすごく睨んでいたと思う。
星くんは驚いたみたいだったが、
しばらくすると言い返して来た。
「人のこと考えろ?リスナ ~ を殺した人に言われたくないね。」
喧嘩売ってるとでも思ったのかな…っ?
まあでもここで言い返さないと負けた判定だし、
言い返しておくか。
「いつも答えにくい質問ばっかするのはどこの誰??」
「リスナ ~ のことを思ってないのはそっちでしょ?」
「リスナ ~ を口実にしないでよ。自己中」
「どっちの方が自己中だよ。女装趣味の男の娘が」
「それは今は関係ないでしょ!!」
「えるちは、被害者面した加害者面した_ただの傍観者だよ??」
そう言われて、僕の動きが止まった。
たしかにそうだ。
僕はいつも全てから逃げている。
親からも、現実からも…
逃避行からも。
意味もないのに逃げ続けている。
確かにその通りだった。
でも_。
「傍観者で何が悪い?」
僕は今にも泣きそうな声で言った。
「人は逃げる方が良い時だってあるんだよ。」
「!!」
「攻められなかったら、逃げればいい。助けを求めればいい。」
1人じゃ生きていけない。
「人は助け合ってるから生きてる。一度は他人に任せてもいいじゃない」
傍観者でも被害者でも加害者でも、
誰かに助けを求める時がある。
結局はあまり変わらないんだよ。
言いたかったことを全て言って、一旦言い返しタイムを与えた。
「…確かにその通りだね。」
当たり前だ。
人間の性格をしていない人にわかってもらえて光栄だよ。
「でも…だから??解放しろ ~ とでも言うの??無理だよ??」
…やっぱこいつゴキブリ以下だわ。
ウワワ ~ けんかしないで!!
次回はぐろあるのかな…??







