そう言って慧さんは私の腕を引っ張て
走った。
段々遠くの建物が見えてくる。
目を凝らせて見るとそこには
雪景色が広がっていた。
「あ、慧お久〜」
鳥居の前には綺麗な人が立っていた。
失礼だと思うが正直性別が区別できない。
「柊!!未唯があの黒猫に会ったんだが!!」
「とりあえず落ち着いてよ〜」
「落ち着いてられるか!!」
「まぁまぁ…」
会話を聞いてる感じ、
昔の友人という感じだろうか。
海さんと話している時よりも親しげに
見える。
「とりあえず、未唯ちゃんこっちおいで?」
「わかりました」
「うーん….異常なしだね!」
そう言ってその人は笑った。
状況がよく分からない。
「え?」
「あの黒猫はね、悪霊なんだよ」
悪霊?よく漫画とかで出てくる悪霊…?
でも悪い雰囲気はしなかったけど..。
「昔はね」
「あの猫は人間の魂が入ってから『人間として』生きてるんだよ」
そう。
あの猫は自分がさも人間だと話していた。「だから全然異常なし〜」
「良かった….」
慧さん横で安堵のため息を漏らした。
「ところで慧、あの件はどうなったの?」「あぁ、今話す」
「あ、じゃあ未唯ちゃんはあそこら辺探索してきていいよ!」
「でも、あそこには入っちゃダメだよ?」
とその人は笑いながら言った。
少し圧をかけながら。
「分かりました」
「じゃ、慧行こっか!」
「あんま遠くに行くなよ?」
「うん!」
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