鈴side
またこの夢だ。
「大丈夫、私がどんなことからも守るよ。」
君は誰?
「大丈夫、」
大丈夫って何?
…何でいつも、君は質問に答えてくれないの?
ねえ、教えてよ…ッ。
「いつか分かるから。」
待ってッ!
「…ごめんね。」
行かないで…ッ!!
“ボク”を置いて行かないでッ!!!
鈴「(嫌だ…ッ!)」
意識が戻った。
鈴「はぁ…ッはぁ…ッ」
呼吸が荒い。
汗が酷い。
息が苦しい。
?「…大丈夫ですか?」
鈴「ッ!」
昨日とは、違う人。
嫌だ、来ないで
近づかないで__________
鈴「…ッぁ」
零side
脈の乱れ、発汗、呼吸が浅い
恐らく、体温も低下している。
とても普通の状態とは思えない。
悪夢でも見たのだろうか。
零「…大丈夫ですか?」
「ッ!」
パシッ
零「…っあ」
「…ッ」
伸ばした手を振り払われてしまった。
「ッぁ、ボクっそんなつもりじゃ…ッ!ごめんなさっ…!!」
まずい…!過呼吸だ…!!
零「っ大丈夫です。落ち着いて、ゆっくり呼吸してください。」
彼女の隣に行き、震えている手を握り背中を擦った。
「っスゥ、はッ」
零「そうです、上手ですよ。」
しばらく深呼吸を繰り返すと落ち着いたらしく、手の震えが治まった。
もう大丈夫だと思って、手を離すと彼女は、僕の服の裾を握ってきた。
零「?」
「…まだ、繋いでいたい、です。」
零「えっ?あぁ、もちろん。いいですよ。」
突然の所望に混乱しながらも、彼女の手を握った。
自分よりも、小さくて細い彼女の手に触れていると、何だか愛着が湧いてくる。
「っ?」
零「あ、すみません。無意識で、」
無意識に空いてる方の手で、彼女の頭を撫でていたみたいだ。
不思議そうな、彼女の視線を感じる。
「…いえ、むしろ嬉しいです。」
心なしか彼女が笑ったような気がした。
釣られるように僕も笑う。
「あの…」
零「どうかしましたか?」
「えっと、名前は…」
零「!…あぁ、名前ですか。」
そういえば、お互い名乗っていなかった。
この様子だと伊織も名乗っていないのだろう。
零「僕は零です。」
「あの…、苗字は」
…苗字、か。
零「ふふ、…秘密です。」
「?」
零「僕の話はもういいでしょう、君の名前は?」
鈴「ボクは天野鈴、です。」
零「素敵な名前ですね。」
鈴「零さん?も素敵な名前だと思います。」
零「…伊織君には勿体ないですねえ。」
鈴「…勿体ない?伊織君?」
零「…あぁ、伊織君は君を拾った人ですよ。」
鈴「?」
頭を撫でながら、誤魔化すように行ったからか、
多分不思議そうな顔をして、僕を見ているんだろう。
……伊織君、早く帰って来ないと、僕が拐っちゃいますよ?
ただ、この二人を絡ませたかっただけ。
…過呼吸系って初めて書いたけど、合ってるかな?
♡···100
コメント
5件
…… 、 鈴 ち ゃ 〜 っ !! 小 さ い 時 天 使 か よ !? そ し て 、 零 さ ん 、 か っ け ぇ
おぉ、たしかに盲目書くのが大変そうだけど表現が上手✨