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若き覇王に、甘くときめく恋を

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若き覇王に、甘くときめく恋を

114 - 第四章 永遠の愛を、二人で EP.3「贈られた指輪の意味とは…」⑲

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2025年03月24日

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「その指輪を贈られるということは、もしや……」


「み、みなまで言うな。源じい」


貴仁さんの耳がますます赤く染まり、心なしか狼狽をしているようにも窺えて、


「あの、この指輪って、お母さまの形見以外にも何かいわくがあるんですか?」


ただ黙って聞いてもいられなくなり、そう切り出した。


「いや、それは……」と、彼が言いにくそうに口ごもる。


すると、源治さんが、


「その指輪は、先々代の旦那さまだった貿易商のお祖父さまが、ロイヤルブルーを象徴する英国王室御用達の宝飾店で、直接に買い付けて来られたもので、指輪を受け継いだ貴仁さまのお父さまが、プロポーズの際に贈られたものです」


指輪の謂われを、そうおしなべて語った。


「……プロポーズ……? やっ……ぱり?」


と、思わず呟く──。


貰い受けた際にも、まさかという思いは少なからずあったけれど、いざその真意が知れると、その重大性をひしひしと感じないではいられなかった。


「……え、やっぱりと言ったか?」と、彼に聞き返される。


「……ええその、だってあの時、貴仁さんがとても真剣に見えたから、それで……」


話している内にも、プロポーズという単語がより現実味を帯びて、頬がじわじわと赤らんでくる。


「……そうか、すまない。指輪を君に……と、思いついたのはいいが、はっきりとはどうにも言いづらくて、な……」


指輪を贈ってくれる際に、『それはだな……、』と、彼が途中で言葉を濁していたわけが、今になってわかる。


「い、いえ、そんな……」


二人揃って赤面をしていると、


「……ということは、正式なプロポーズは、まだということでしょうか?」


源治さんが私たちを交互に見た後に、もどかしげに口を開いた。


「……。……まだだ」


応じた貴仁さんの顔が、いよいよ真っ赤になる。


「では、改めてにでも?」と、源治さんにここぞとばかりに問い詰められて、「ああ……」と、彼が短く頷くと、私へ顔を向けた。


「いずれは、きちんとするから、どうか待っていてもらえるだろうか」


真っ直ぐな眼差しで見つめられて、


これ以上は赤くなれないんじゃないかというくらいに頬を染め、「はい……」と、彼に答えた──。

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