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???「ねぇ。橙。アタシにお料理を教えてくれない?」???「お料理ですか?」
???「あれ?前にわたしとやらなかった?」
ここは、生徒会室。「桃時」は「橙」に頼み事をしていた。それをたまたまみている「雨花」。
桃時「もっと難易度の高い料理がしたいの。橙料理できるんでしょ?」
橙「まぁ家庭料理なら作れますが……」
雨花「なるほど!わたしはそこまで料理に詳しくないからね」
桃時「アタシも全然なのよ。だから橙に頼もうと想って。生徒会の中じゃ一番料理に詳しいの橙でしょ?」
橙「そんなことは無いと想いますが……頑張ります!」
桃時「じゃあ早速明日家庭科室で作りましょ!あそこなら材料沢山揃ってると想うし!」
雨花「わたしも作りたい奴あるから、ご一緒してもよろしいでしょうか?レディーたち」
桃時「別に良いわよ」
橙「私も構いませんよ。何作ります?」
桃時「難しい奴が良いわね」
橙「そうですね……じゃあ肉じゃがなんてどうでしょうか?煮崩れやすいので注意が必要なんです」
桃時「いいわね!じゃあ肉じゃがで!」
雨花「良かったじゃん!桃時ちゃん!」
橙「雨花さんは何作るんです?」
雨花「スープだよ!」
桃時「何のスープ?」
雨花「何だろう?分かんない」
橙「え?」
桃時「そんなことある?」
雨花「まぁ大丈夫でしょ!明日お互い頑張ろ!」
桃時「そうね!」
橙「頑張りましょう!」
雨花たちは、早速明日家庭科室に行くのだった。
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桃時「よし!準備はOKよ」
橙「じゃあまずは具材を切っていきましょう」
桃時「分かったわ」
雨花「……うーんと……これとこれを入れて……」
橙「そうしたら合わせ調味料を作ります」
桃時「合わせ調味料?」
橙「はい。大体醤油は大さじ二、料理酒大さじ二、みりん大さじ二、和風だし大さじ二分の一……ぐらいですかね?」
桃時「じゃあ計らないと」
雨花「あとはこれか……」
橙「次に合わせ調味料の材料をボウルに入れて、切ったお肉を入れ混ぜます」
桃時「こんな感じかしら?」
橙「そうですそうです」
雨花「そしたら次にこの具材を入れて……」
橙「…………あの、雨花さん?」
雨花「何ぞな?」
桃時「あんたさっきから何作ってんの?」
雨花の手元には毒々しい色をしたスープの鍋が置いてあった。
橙「何作ってるんです?」
雨花「いやね。妖怪の中で流行ってるスープがあるらしくて、化茶に教わったんだよ。だから作ってるの。しかもこの妖怪スープを作った人間は、妖怪の加護を受けられるんだって!」
橙「(化茶さんが教えたスープ……)」
桃時「(どう考えても嫌な予感がする……)」
雨花「あとは、これを入れると……」
雨花は次々と材料を鍋の中に投入していく。
雨花「よし。できた。味見してみよう」
橙・桃時「ごくり」
雨花はスープを味見ならぬ毒味をする。
雨花「うぅーん……まぁまぁかな」
橙「あれ?」
桃時「不味くないの?」
雨花「飲んでみる?」
あまりにも雨花が平然としてるので、橙と桃時は飲んでみることにした。
雨花「あっちょっと待って。この調味料を入れてから……はいどうぞー!」
橙・桃時「せーの」
ごくっ
橙「お、美味しい!」
桃時「美味しいわね!このスープ!」
橙「これなら何杯でもおかわりできちゃいます!」
桃時「このスープのレシピ教えてよ!」
雨花「これは本来なら妖怪のみが知ってる秘伝のレシピなんだよ。だから教えるのは無理でーす。…………」
さっきわたしは飲んだフリをして二人に毒味させたんだよな……
本当は最後に入れた調味料のおかげで人間向きの味になっただけで
材料は妖怪が好む得体の知らないもの……
味が変わっただけで中身は変わってないけど……
雨花「まぁいっか!」
橙「何がいいんですか?」
桃時「変な奴ね。いつものことだけど」
「さぁ」
桃時「肉じゃができたわよ!」
橙「お疲れ様でした!」
雨花「乙!桃時ちゃん頑張って偉い!」
桃時「どうも〜!じゃあ雨花の分もあるし、食べましょ!」
雨花「え?!わたしの分も作ってくれたの?ありがとう!」
雨花・橙・桃時「いっただきます!・いただきます・いただきまーす」
雨花たちはそれぞれの料理を終え、
窓からは夕方になる前のほのかな陽だまりが雨花たちの空気と混ざり、穏やかな時間へと変わった。