⚠️この話はポケモン×カンヒュのクロスオーバーです。
あらすじと前回の話必読。
※旧国注意(old country)
“旧国達が襲われてる!!!”
パラオの爆弾発言に、会議室全体が騒然とする。
「おい待て。父さんは無事なんだろうな!?」
「パパ大丈夫なんね!?!?もしかして怪我してる!?」
イタリアとロシアが血相を変えて立ち上がる。
しかしパラオは、首を横に振って訴えかけた。
「僕のこと守ろうとして、ナイチ達が怪我して….それでぇ……(泣)」
パラオの目に、みるみるうちに涙が溜まっていく。
「ぱらお、つおいのに守れなくてっ….(泣)にほん〜……」
ぐすぐす、としゃくりあげるパラオに駆け寄って
日本はにゃぽんに声を掛けた。
「私は父さん達を助けに行きます。
にゃぽんは韓国さんの援護を」
「は……..!?」
イギリスが信じられないものを見るかのような声をあげる。
しかしにゃぽんはそれを無視して、こくりと頷く。
「分かった。お父さんのことよろしくね」
「任せてください。……国連さん」
真っ直ぐな視線が国連を刺す。
「医療学に長けているWHOさんを除き、
この会議場から誰一人として外へ出さないで下さい。
“誰一人として” です。」
「ッ……!!わ、わかり、ました…」
何だ、あの目は。
彼の父親である大日本帝国のものとも違う、
凍てつく視線。
今目の前にいるのは、本当に日本国なのか?
温厚で、平和主義で、それでいてどこかミステリアスな雰囲気を漂わせる不思議国家。
今の彼には、どの言葉も当てはまらない。
「確かにポケモンは危険な生き物じゃありません。
しかし、それは “ポケモンを全体的に捉えた” 総合評価でしかない」
ふぅ、と息を漏らす。
「必要とあれば、いえもしくは興味を持っただけで、
人に危害を加えることを厭わない狂気的な存在」
人懐っこい。もしくは人見知り。
甘いものが好き。辛いものが好き。
トレーナーに忠実。反抗的で扱いづらい。
「ポケモンは可愛くてかっこよくて…
そしてまた、残酷な一面も併せ持つ。」
恐らく多くの人は気付いていない、
“あの” ポケモンの残酷な真実。
しかしそれもまた、ポケモンの本質の一つ。
「知識のないあなた方と “彼ら” を会わせる訳にはいきません。
全員待機でお願いします」
いいですね?と圧の含んだ笑顔で微笑まれて、
反対意見を出す国は居なかった。
「……では私はこれで。皆さんお疲れ様でした」
韓国side:
「パチリス!!このゆびとまれ!」
「ばっぢぃぃい!!!!」
その頃韓国は、
ダブルバトルの要領でボーマンダ三体と対峙していた。
「ボマァアア!!!」
「今だブラッキー!あくのはどう!!」
「ブラァッ!!!」
暗黒の波動がボーマンダに突き刺さる。
そのまま地面へと墜落し、土煙の中から目を回して横たわったのを確認した韓国は、
矢継ぎ早に指示を出していく。
「おぉ…凄いな」
「凄いなじゃありませんよどうするんですか!!このまま黙って見ていろと!?!?
街だって破壊されているというのに…..っ!!」
「煩いぞオーストリア。所詮吾輩達に出来ることは何も無いだろう」
後方でトゲキッスに匿ってもらっているのは、
ドイツ、オーストリア、スイスのゲルマン三国だ。
「はぁ……これは修復が大変そうですね」
「国民の避難が無事に済んだだけマシだろ。
……まぁ俺の所も貴重な建物が破壊されているのはかなり痛手だが」
ちら、と目の前の惨状を確認する。
……夢じゃ、ない………..。
信じられない。
今目の前で得体の知れないモンスターが暴れ回って街を破壊して、
挙句の果てに救助隊が韓国だけだなんて。
「幾ら残業で疲れてても幻覚まで見ることは無かったぞ。やっぱり疲れてるのか俺は……ははは」
「なら残業無しで幻覚を見れている吾輩の方が重症だな。
……もう何でもいい。早く目が覚めてくれ!!」
ドイツとスイスのSAN値が限界突破する直前。
ドゴォォォォォォォォン!!!!!!
「なっなんです!?!?」
「今度は何なんだ!?」
そこに居たのは。
「か・ん・こ・く〜〜〜〜!!!!」
白くてふわふわ。柔らかそうな大きめの猫耳。
赤いリボンが特徴的な、白と紺色のセーラー服。
そして高めのロリボイス。
救世主第2号と言うには程遠い容姿。
「「「「にゃぽん!?」」」」
「援護しに来たよ!!お待たせっ!」
トゲキッスと共にニッコリ笑った猫耳少女は、
軽い身のこなしで地面へと着地する。
「にゃぽん、会議はどうしたの!?日本の指示?」
「旧国の人達にも被害出たらしいから会議は中止になったんだよ。
お兄ちゃんは旧国の皆さんの所へ、私はこうして韓国の援護に回ったって訳」
だが、呑気に会話をしている暇はない。
ギャアアア!!!!とボーマンダが襲いかかっていく。
「にゃぽんさん!!!韓国さん!!!!」
「逃げろ馬鹿ッ!!!!!」
オーストリアとドイツの悲鳴も虚しく、
二つの国へ容赦なく『りゅうせいぐん』が降り注いだ。
しかし。
「おっと」
「……“ニンフィア” 。」
“ひかりのかべ。”
雨のように降り注いだ星々が、見えない壁によって弾かれる。
ドイツ達の方も、トゲキッスがゆびをふって同じ技を発動したため防がれる。
そして。
「ハイパーボイス!!!!」
「ふぃい……!」
爆音。
ドイツ達の世界が飛んだ。
頭に情報が入ってこない。この感覚は……圧力?
次に目を開けると、三体のボーマンダが傷だらけで地に伏していた。
「うっわにゃぽんのニンフィアおっかねぇ〜…な、ブラッキー」
「ぶら、ぶら……」
「うちのニンフィアは可愛くて強いんだよ、ね」
「ふぃあ!」
きゃっきゃと話に花を咲かせる二国に、ゲルマン三国はただ呆然と立ち尽くしていた。
なんだあいつら!?!?!?
日本side:
「はぁっ、はぁっ……」
日本は走っていた。滅多に動かさない体に鞭を打って、息を切らして。
「ぴかちゅ……?」
「だぃ、じょ……ぶっ………..!」
心優しき相棒のビリビリネズミは心配してくれている。
だがしかし、足を止める訳にはいかない。
「早く行かなきゃっ……!!」
日帝side:
「ッ………..」
折れた刀を、血混じりの両手でギリギリと握りしめる。
そしてあちらこちらから聞こえる呻き声に掠れ声。荒い息遣い。
最早誰のものかも分からない血溜まり。
「に、っ……て………..」
後方には重症を負った父……江戸の姿。
そして多数いる旧国達の姿。
「喋らないで下さい父上…傷が開きます」
「無理をするな日帝….!まだ動けるなら私達のことなど置いて国連に救護要請しろ!!頼む!!!」
ナチス先輩が掠れ混じった声で必死に叫ぶ。
……あぁ先輩。貴方はなんて優しいのでしょう。
自分の命よりも利益、効率、合理的思考….そして元仲間の命を優先するなんて。
だが置いていくなど到底無理だ。
「日帝…?おい待てッ、なぜ刀を持ち直すんだ!?頼むやめろ!!逃げてくれッッ!!!」
目の前の異形をもう一度見据える。
コードを束ねた様な姿の “ソレ” は、紫電を散らしながら短く鳴いた。
「デンショック!!!!」
To be continued…?
コメント
7件
イヤッホォォォォイイ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎ 楽しみにしてましたわ! 旧国を倒せるぐらい強いポケモンはもう最強💪
もう言葉になりません最高です…😇毎度拝見させていただくたび画面を隔ててすぐ向こうにみんながいるみたいにキャラクターが生きてて本当に尊敬します…どうしたらそんなに魅力を引き出せるんですか……?
ポケモンって、カッコイイとか可愛いとか色んなイメージあると思うけど普通に人間を○せるだけの力は持ってるんだよね。現実世界において、もし本当にポケモンが実在してたら世界はとっくに滅ぼされてるのかもね(笑)