光の家

　　　　　　　　　⭐️光の家⭐️夜の読書室

　ティアは幼い頃から精神疾患があり、精神障がい者施設で暮らす25歳の女性。ティアにしか聞こえない幻聴が聞こえると行動で紛らわすため問題行動が多いのです。

　ティアは今日も洗面所で歯を磨いたあとは寝るだけの状態で施設内の読書室にいました。もう遅い時間なのでティアの他には誰もいません。行動しながらも理性を保つためティアは本を読みます。

　ティアの両親は頭が良くティアが自由に話すことを快く思いませんでした。いつも良く考えなさいと言われたのです。幼い頃から頭の中だけの声と黙読で言葉を理解しようとすることしかできなかった彼女は7歳の頃からティアに読めない文字があるたび責める声が聞こえるようになります。幻聴の始まりでした。幻聴にはティアが幼い頃に持っていた空想力の名残りで黒い炎のような姿、触手を持ち、語りかける時はティアに触手を伸ばしてからみつきます。

　長い間幻聴を行動で紛らわすことに慣れてしまったティアは今ではもう黙読がしんどかったのです。このままでは本当に言葉を失うかも知れませ

ん。ティアはため息をつき、本を閉じて本棚に戻すともう寝ることにしました。