テラーノベル
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拐われたステラは、入江にある朽ちた漁師小屋に連れてこられていた。
ホコリを被ったボートや投網が見える小屋には、傭兵風の覆面男が5人見える。
ステラはボロい椅子に座らされると、背もたれに縛り付けられた。
男の一人が彼女の前に立つ。身長は190センチくらい、ぴったりとした服には胸筋と腹筋が浮き出ている。男が覆面をとると右目を引き裂くような縦の傷があり、頬には蜘蛛の入れ墨が入っている。
「お前が金庫番の”魔女”だな」
「…………」
「金庫の場所はどこだ?」
傷男は腰のベルトからダガーを抜くと、ステラに刃を見せつける。
「…………」
「黙ってちゃなんもわからねぇ、な!」
筋肉男はステラの長く美しい髪を掴み、無理やり引っ張り上げる。彼女の表情が痛みに曇ると、筋肉男は嬉しそうに顔を近づける。
「愛人って言うからもっと枯れた女かと思っていたが、随分とエロい女だな」
男はステラのネグリジェの胸元に手をかけると、縦にバリッと引き裂く。
ステラの白い肌と爆乳がボロンとこぼれ落ちそうになる。
「ヒュー見事なものをお持ちで。その下品な体でメッサー王を誘惑したんだろ。この淫売が」
「…………」
「あまりシカトされるとムカつくぜ。手をあげられないとでも思ってんじゃないだろうな」
男はステラの頬を強くビンタする。
彼女の頬がじわっと赤くなっていく。
「金庫の在処を吐けば楽に殺してやる。言わなければ指を一本一本噛みちぎり、腹をこのダガーで引裂ながら犯してやる」
男は荒々しくステラの胸を揉み潰す。
彼女は恐怖から涙をこぼし、ガタガタ小刻みに脚を震えさせる。
「やめろベア。自殺したらお前の首一つじゃ足らなくなる」
「チッ……」
筋肉男をベアと呼んだ別の細身の男が、ステラの前に立つ。
青白い顔をして露出した手は骨と皮だけじゃないかと思えるくらい細い。
「金はどうでもいい」
「よくはねぇぜスネーク、活動資金は必要だ」
「ベア、俺の会話に割り込んでくんじゃねぇ。今度口を挟んだらテメェの眼球をえぐり出すぞ!」
「す、すまねぇ。スネーク」
突然激昂したスネークにステラは怯える。
彼は一つため息を付き冷静さを取り戻すと、ステラに向き直る。
「お前の身上は調べた。ステラ・モードレット。元レッドダイヤ村の魔女の生き残り」
「…………」
「大昔勇者と共に悪竜を滅ぼした英雄の末裔。しかしその強すぎる力を恐れた人間から酷い差別を受け滅んだ。ひっそりと身を隠し暮らしていたところ、メッサー王に見つかり愛人にされた不運な女」
「…………」
ステラは否定せず沈黙を続ける。
「俺達は金庫の中に入っているモノを探している。それさえ差し出せば、解放してやってもいい。口を割ればメッサー王に殺されると思っているかもしれないが、それは心配ない。メッサー王は近々死ぬ」
「……どういう意味ですか?」
「奴は既に我々が仕込んだ毒を飲んだ」
「あなた達は革命軍なのですか?」
「革命という言葉はあまり好きじゃない。正しい世に戻し、真の平等社会にする組織ヴェノムタランチュラだ。正義の蜘蛛が、悪を駆逐する」
「それにしては随分と手段が手荒かと思いますが」
「社会を変えるには血が必要だ。大量の悪人の血がね」
「過激派組織……」
「我々をテロ屋みたいに言うのはやめたまえ。我々は世界を愛と平和で満たすために動いている。この国は重課税、賄賂、奴隷売買、腐敗した騎士団。悪の巣窟と化している。ヴェノムタランチュラによる正義執行が必要だ」
「こんなことをすればメッサー王が」
「黙ってるよ。愛人を助けに兵なんて動かさない。兵を動かせば民衆になにかあると勘ぐられるからね。メッサー王は金庫番の君に沈黙の死を望むだろう」
「…………」
「そんなこと無意味だと思わないか? 側室にすらしてくれなかった男に、黙ったまま死ねと言われるなんて屈辱だろう? 奴は悪だから、そういった人の命を踏みにじることができる。そんな男に義理立てする必要はない、話してしまいたまえ」
「…………確かにメッサー王は動かないかもしれません。しかし私には息子がいます」
「血の繋がらない豚王子か。あんな子供に何ができる? それともなんだ、あの豚王子に男を感じてるのかね?」
他の男達も小馬鹿にした笑みを浮かべる。
「ラウルちゃんは、そんなんじゃ……。とっても優しい子で……やっと私のことをママと」
「偽物の絆を欲する偽の母親か………。そうだな、ではお望み通り、豚王子をここに連れてきて痛めつけてやろう」
「や、やめて!」
ステラの強い焦りに、スネークは口元をつり上げる。
「おい、この島の海賊を呼べ。そいつらに王子を拐わせる」
「オレ達で拐えばよくないか?」
「この島を出るのにちょうど船が必要だ。海賊が王子を拐ってきたら、そいつらを殺して船を奪う」
「そいつはいい、何もせずに豚王子も船も手に入るわけだ」
「卑怯者! 恥を知りなさい!」
「黙れ淫売め、貴様ら悪に我らの使命はわかるまい」
それから30分程すると、扉を開けて誰かが入ってくる。
それは海賊帽を被った若い女。長い赤髪に、日焼けした肌、白のブラウスの中にたわわな褐色の果実が窮屈そうにしている。腰のベルトには刀身が湾曲したカトラスをさしており、黒のブーツがカツカツと足音を立てる。
スネークは入ってきた海賊女に視線を向ける。
「レッドシャーク海賊団のヨハンナだ。テメェが雇い主か?」
「そうだ。この島にいるグランツ家の第三王子を拐ってもらいたい。殺すな、手足がちぎれていても構わんが絶対生かして連れてこい。報酬は任務完遂時にのみ払う」
「ダメだ、前金は貰う。そして成功したら、アタシらレッドシャーク団をタランチュラに入れてもらう」
ヨハンナが言うと、ベアが前に出る。
「厚かましい女だな。黙ってお前らは使われてればいいんだよ」
「顔をどけろブサメン。王子を捕まえるリスクを負うんだ。絶対に前金は貰う。さもなきゃ自分でやれ」
スネークは金貨の入った小袋を、ヨハンナに放り投げる。
「どうも。成功したらこの倍貰う」
「海賊がなぜヴェノムタランチュラに入りたい?」
「アタシらは元バストンウェル国の貧民街の出だ。臓器目的に子供が毎日拐われる地獄のような場所だった。金持ちの食い物にされる弱者の気持ちがわかる。アタシたちも正しい世界のために戦いたい」
「なるほど、ヴェノムタランチュラの理念に叶っている。いいだろう、お前たちの実力を示してからになるがな」
「その言葉忘れんな」
ヨハンナは踵を返して外へと出る。
ベアは安易に仲間を増やそうとするスネークに、しかめっ面を見せる。
「本当にあの女どもを入れるつもりか?」
「まさか。さっき言った通り、奴らには死んでもらうさ。ヴェノムタランチュラに薄汚い海賊などいらん」
コメント
1件
第8話、めっちゃ緊迫してたね…!😭✨ ステラの窮地が生々しくて、胸がギュッとなるシーンばかりだったよ。特にラウルちゃんを想うステラの強さと優しさが泣ける。あと、ヴェノムタランチュラのスネークの“正義の名の下”の冷酷さがゾッとするけど、ヨハンナの登場で一気に空気が変わったね。海賊がどんな動きをするか、次めっちゃ気になる!!🔥💕
🍎🥧アップルパイ
80
#ブルーロック
🍎🥧アップルパイ
59
#もしかしたらグロいかも
海月
38