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みどりいろ
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誰も、動いていない。
なのに。
音だけが、鳴った。
「今の、何」
ぐちつぼが、小さく言う。
「いや俺じゃないけど」
「俺も違うっすね」
三人とも、その場から一歩も動いていない。
視線だけが、ゆっくりと地面に落ちた“それ”に向く。
「……あの」
ぴくとが、打って変わって低い声を出す。
「これ、普通消えるんすよ」
「いやさっき聞いたけど」
「例外とか、このモンスターは今まで一回も見たことないっす」
その言葉が、やけに重く響く。
――ぐしゃ。
また、音が鳴る。
「……っ」
ぐちつぼの肩が、びくっと跳ねる。
「ちょ、ちょっと待てって」
さっき潰したはずの“それ”が、
ほんの少しだけ、動いた。
「うわマジかよ」
「いやいやいや聞いてないって」
形が、崩れている。
顔もない。
なのに、
“こっちを向いた気がした”。
「らっだぁ」
ぐちつぼが、名前を呼ぶ。
「これ、もう一回やれ」
「え、俺?」
「いいから」
短い言葉。
でも、その声はいつもより少しだけ固い。
「……おけ」
もう一度、能力を使う。
視界が青く歪む。
さっきより、少しだけ――濃い。
「……?」
違和感。
でも考える前に、体が動く。
――ぐしゃっ
今度こそ、完全に潰した。
「……」
沈黙。
数秒が、重い空気のまま流れる。
「……消えろよ」
思わず呟く。
でも、
消えない。
それどころか。
「……なあ」
ぐちつぼの声が、少し低くなる。
「これさ」
“数が増えてない?”
「……は?」
視線を落とす。
そこには、
さっき潰したはずの“それ”が、
二つに分かれて転がっていた。
「……は?」
理解する前に、また”それ”が動く。
ぐにゃり、とその輪郭が歪んで、
さらに三つに分裂した。
「いや、ちょっと待って」
ぴくとの声が、明らかに焦っている。
「こんなん、聞いてない」
誰も、動けなかった。
――ぐしゃ。
また、音がした。
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コメント
2件
うわ〜✨️最高だ〜!続き楽しみすぎる〜((o(´∀`)o))ワクワク