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はいどうも莉月です!!
今日春休み明けのテストがあったねんけど、やりよる途中になんか降りてきたんで、 今回も前回に引き続き学パロ書いていきます!!
学生パロです
⚃⚄(ちょっとだけ⚅も)
年齢操作有
⚃:高校1年(17)
⚄:高校2年(17)
⚅:高校2年(17)
Rなし
パクリ❌
アンチ❌
「また、君か」
学年順位が張り出されるたびに、いふ(まろ)は少しだけ口元を緩めて、俺を見る。まるで当然のように1位の座にいるその顔は、どこか余裕があって、悔しいけれど見とれてしまうほど整っていた。
俺は、今回も2位。もう何度目だろう。毎回あと一歩のところで届かない。けれど、あいつがいるから、俺は手を抜けなかった。
「次は勝つよ」
そう言うと、まろはふっと笑った。
「その言葉、あと何回聞けるんやろなw」
悔しい。けど——
不思議と、そのやりとりは心地よかった。
中間テストが終わってから、一緒に図書室で勉強するのが当たり前になっていた。
『ないこ、ここちょっと解き方違う。こっちの方が早いで』
「また得意げに教えてくれるな」
『だって、教えてあげないと、また俺が一位になってまうからな』
「……その自信、ムカつく」
笑いながらも、俺の心はなぜかざわついていた。“勝ちたい”という気持ちだけじゃない。こんなふうに、一緒に過ごす時間が増えていくことが、少しずつ——いや、確実に、特別になっていった。
「まろは、なんでそんなに勉強するの?」
ふと、聞いてみた。
『急やなw ………俺親が教師でさ。昔から、成績良くないと褒めてもらえなくて……やから習慣、かな』
意外な答えだった。もっと、自信家な理由かと思っていた。
『でも今は——』
まろは俺を見た。
『ないこに負けたくないから、かな』
心臓が跳ねた。
学年末テスト、最後の戦い。
結果は、俺が1位だった。
『……やったな』
まろは順位表を見て、少しだけ肩をすくめた。
「うん、ついに勝った」
嬉しいはずなのに、なんだか胸が苦しい。勝ってしまったことで、何かが終わってしまいそうな気がした。
「ねぇ、まろ?」
『ん?』
「俺、まろともっと競ってたい。だけど……それだけじゃ、もう足りないんだ」
『……』
まろは黙ったまま、数秒俺を見つめ、笑った。
『やっと言ったな。俺もやで』
勝ち負けの関係なんかより、もっと深くて、あったかいもの。それを、俺たちはやっと見つけた。
——俺たちは、ただのライバルじゃなくなった。
付き合い始めてから、俺たちの距離はさらに近くなった。勉強の合間に交わす会話には、少しの照れと笑いが混じっていた。
「ねぇ、なんでそんなに問題解くの早いの? ちょっとは手加減してよ」
『……ないこたんが頑張る顔、見たいから?』
「なにそれ、ズルいって……////」
ライバルだった頃は、まろの笑顔に勝ちたいと思っていた。けど今は、その笑顔を見られるだけで嬉しい。
そして、迎えた新学期。
順位は、2位と3位。俺たちは、どちらも1位じゃなかった。
「まさか、あの筋肉バカに抜かれるとは」
『お前が寝坊して試験時間減ったからだろwww』
「だってまろが付き合ってくれるから、安心して夜ふかしできるのが悪いんだ」
『……責任転嫁すんなよ』
笑い合いながら、俺たちはもう順位なんかどうでもよくなっていた。ただ、隣にいてくれるその存在が、俺にとっては何よりの誇りだった。
——勝つことより、大切なものがある。
あの日、一位と二位の間にあった境界線は、今、すっかりなくなっている。
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