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ウィド&ディレ
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#面白くないかも
如月玲
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谷崎爽奈
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コメント
1件
読み終わりました!第12話、めちゃくちゃ熱かったです。まずラガさん(平賀源内!)のキャラが最高ですね。「負けを認めても死ぬまで負けじゃありませーん」って逃げるところ、笑いました。それにしても「想造者」って能力、理論を超越した場所を作り出すって規模がえげつない……。 彼方ちゃんの〘人形使い〙も無意識に発動しちゃうタイプで、将棋のシーンでの「なんでそこに王を出したの?」が純粋な疑問だったのが逆に不気味で。でも「玩具になってもらう」って笑顔で言うところに歪な純粋さを感じて、すごく引き込まれました。 主人公が「感情を消して」戦闘モードに入るギミックも格好いいし、花さんの「加藤君」呼びで一気に緊張が走る場面も好きです。続きが気になる……!
「お前何者だ」
後ろから誰かに話しかけられた。後ろには刀を構えた人が5人いた。おそらくこの町の取り締まりを行っている人たちだろう。そして体は鍛えてある。だが、殺すことは容易である。が、ここで殺すことは任務に入っていない。
「別に怪しいものではないです」
羊羹の入った紙袋を下に置いて、手をあげた。
「ラガ様を及びしろ」
「はい。」
男の一人が、走ってそのラガ様とかいう人のところに走って向かっていった。方向からして1㎞ほど先に見える大きなお屋敷だろう。
そしてほかに人たちによって腕と脚を固定される。その状態でかられた豚のような恰好でその城の方へ歩く最中町中で見世物にされた。羊羹の入った紙袋はほかの人がきちんと持っていてくれた。
そして途中で、刀を持ったシンプルな和服を着こなす男が出てきた。
その男に面識はないが、結構な美形である。そして、僕は真っ先ににらみつけられた。
「ありがとう。俺が持っていくよ」
「はっ」
男はその棒ごと肩に担いで僕を持った状態で城の方へ走っていった。
城で僕は真っ先に牢獄にぶち込まれた。
そして目の前で萩野さんから渡された羊羹を見て、理解したような顔して、刀を抜いて、羊羹を箱ごと半分のところできれいに切って、右側の羊羹を取って羊羹をそのままかぶりついた。
「アグレッシブですね」
「これが一番おいしく感じられる食べ方だ。」
3分もかからず羊羹をたいらげて、もう一つに手を出そうとして必死に我慢していた。「なぁ、芹那の使い」
「なんで萩野さんだってわかったんですか?」
藤田 芹奈は萩野さんの偽名である。
「あいつまだその名前使ってんのかよ。まぁいいや。理由だっけ?芹那には『もし使いを送るなら、とらの羊羹を持ってこさせろ』って昔言ったから」
最初の方がよくわからないが、まぁ、萩野さんだとわかってもらえただけでもいいだろう。
「まぁ、芹奈が使いをここに送るってことは、あいつのことだろうな」
ついてこいと手で合図して、そのあとについていく。
先ほどからこの人の隙を窺っているが隙がない。戦って勝てる自身が全く持ってわかない。
「それで。芹奈のところにいるならあるんでしょ。偽名。どっちで言う?うちのリーダーに。」
「偽名で困ることは無いけど、本名だと困ることがありそうだから偽名で言います。僕の偽名は畠中 幸人」
「‥‥こころぐるし」
ボソリとラガさんはつぶやいた。それから、天守閣の部屋のふすまを開けて入ると、中学1年生くらいの茶髪で、ボブよりも少々短い髪形。ボーイッシュな感じで、萩野さんの面影がある美少女が一人で座っていた。
彼女はずっと目をつぶった状態なのに、木製の人形が勝手に動いて演奏している。幼い少女の静かな雰囲気からは似つかわしくない、めちゃめちゃのロックが演奏されている。
「どうしたのラガ。その人が用事でもあるの?」
ロックを演奏している人形が止まってから、少女は目を開けた。
「えぇ、彼は新しい玩具ですよ。」
ラガは、畳の上に正座をした。今すぐこのラガとやらの頭を、肘でどついてやろうかと考えたが、やめておいた。
「そっか。ありがとう。」
パァァと音がしそうな勢いで笑顔になる。
「いえいえ。」
ラガはすぐに立ちあがり、ふすまを開けて、出ていく少し前に僕の肩をたたいて、『後は頼んだ』とボソリといった。
「で、君は何ができるの?将棋?囲碁?ゲーム?足が悪いから外では遊べないんだけど。」
少々謝るような笑顔で僕を見てきた。それでも目の奥には好奇心がにじみ出ていた。
「すべてできますよ。」
そんな少女に苦笑いしながら僕はそういった。
「うーんじゃぁ将棋をやろうか。君は強いの?」
「えぇ、ある程度は。」
「ある程度か。うん。良かった。じゃぁ始めようか。」
僕は部屋の隅にあった将棋盤を持ってきた。
それから、5手目の時に、僕が負けた。理由は僕の体が僕の体ではなかったから。意味不明だと思うだろう。思ってもいない方向に勝手に手が動く。抗うことはできなかった。そもそもあらがう事すらかなわなかった。意識はきちんとあったし、きちんと考えていた。
「ふふっ。勝ったー。お兄ちゃん雑魚いね。なんでそこに王を出したの?」
意味不明であったが、『お前は、変異者を知っているか』という萩野さんの言葉を思い出す。そうか、彼女は変異者なのか。
「でさ。君は変異者なの?」
少女の方から聞いてきた。
「変異者だったらどうする?」
「玩具になってもらう。」
それはそれで困るが、萩野さんからの命令が何もないのが地味に面倒くさい。しかし、個々の部分で有効な関係を作っておいて損はない。いや、だがこれが暗殺任務のための下見だとしたら‥‥無駄な情を生む方がリスキーだ。しかし、もし暗殺ならば〈鴉〉や〈百舌鳥〉もつれてくるべきではないか。まぁいい。その場合は感情を消して殺そう。しかし、『変異者なの』『うんそうだよ』『能力は何?』という流れになる。僕らにとって能力がばれることはただのリスクでしかない。そもそも、僕が知る能力が爆弾を作ったり止めたり、感情を消すことができるというおまけつき能力か、身体強化や物を自分を硬化できるという、どこでも戦えるという能力しか知らないため、変異者たちの能力がどれほどのものまであるかがわからない。例えば時間を巻き戻す能力があればただただ恐怖である。そもそもこの僕らがいる世界すらも能力で作り出されたものだとしたら‥‥‥‥考えれば考えるほど悪い考えしか浮かんでこない。しかし、僕は賭けに出る。彼女の能力はおそらく操る能力。つまり、優也が相手でない限り、僕が能力を明かしても勝算はある。それにラガさんの言い方からも、萩野さんとそこまで険悪な仲にはなっていなさそうである。ここに連れてきた理由を考えると、何かのための同盟もしくは仲間の可能性が高い。つまり、これには能力を明かして信頼を得る方が得策。
「そうだよ僕は変異者だよ」
「じゃぁ玩具になって。名前と能力は?」
「畠中 幸人。高校1年生。能力は〘爆弾魔〙だよ。」
「能力の名前からして強そうだね。よろしく。私ね。私の名前は藤田 彼方。能力は〘人形使い〙だよ。」
なるほど僕の予想どおり彼方の能力は操る能力。しかし、彼女は先ほど『ふふっ。勝ったー。お兄ちゃん雑魚いね。なんでそこに王を出したの?』といった。その時に、『なんでそこに王を出したの?』は純粋な疑問のようであった。つまり彼女は無意識のうちに能力を発動している。そして彼女が、僕がこの手を打ってきたらいいなと思っていたが故、僕が彼女の能力によって操られていた。恐ろしい能力だ。僕の意識はきちんとあるため爆弾を作り出す能力は使えても、爆弾を僕の仲間の方へ投げさせることが可能なのである。これが変異者の能力か‥‥。
「君はどうやって能力を止めていたりするの?もしかして止める必要がない能力?」
「いいや、そういうわけじゃないよ。僕も今は止めているよ。じゃぁ、まずは目をつぶって。」
彼方はスッと目を閉じた。
「スイッチを考えて、そしたら、たぶん君のは『ON』の方がついてると思うから、それを『OFF』にして。」
「できた」
「じゃぁ、僕がいきなり立ち上がってふすまの向こうに行くイメージをして」
いきなり僕の体が動き出す。まだ、制御はできていないな。まぁ、昔の自分は怒っただけで爆弾が出てくるほどだったから、彼方のことを何も言えないが。
「じゃぁスイッチを確認して」
「『ON』になってる」
「そう、君の場合『OFF』の状態で想像して動かなければ問題ないよ」
「うん、じゃぁ、この人形でやろうかな。」
先ほどまでロックをひいていた人形を使い、実験をしている。
「じゃぁ、君はラガと訓練でもしたら?」
首が飛ぶ自分しか想像できない。
「ラガー」
彼方が大声でラガさんを呼ぶ。
「そんな大声出さなくても聞こえてますよ。では畠中君。行きますよ。」
クイッとついてこうと合図をした。
「ずっとふすまから聞いていましたよね」
「そう。障子に目あり襖に耳ありだから、あそこがふすまだから耳ありで聞いてた」
「どういうことですか?」
「俺の能力、想像できれば創造できる能力〘想造者〙想像のそうに、創造のぞう、それに亡者のじゃ。」
「まったくもって意味わかりませんが、考えられる物なら作り出せるってことですか?」
「そう、でも、そんな真面目に考えないでいいよ。さっきの障子に目ありは冗談だ。それと君の質問に対する答えは、この場所自体が僕の能力で作ったものだ。想像力働かせるの大変だったわ。一回盗んでもらって、理論とか全部ぶっ飛ばして、新しい次元を作って‥‥って、大変だったのよ。」
大変っていうレベルじゃないだろ。
「つまりここは、理論を超越した場所ってことですね?」
「そういう事。それに、俺は作るだけ、消すことはできない。」
歩いて階段を1階分降りると、一つの部屋に入った。
「じゃぁ、練習と行きますか。怪我はしないようにヘルメットをかぶって、背中に綿の入ったその服着て」
いわれるがままにそれらを装着する。それから壁にかけてある木刀をラガさんがとったので僕も取る。
——〘爆弾魔〙。戦闘に不要な感情の消去。決定。
お互いが構えを取った時に、ラガさんがすり足でスッと僕の目の前にいた。もちろんであるがこうなった時の対処法は考えられている。相手の腹部を蹴る。もちろん刀よりも高い位置でなければ足を切られてしまうため、柔軟でなければならない。
ラガさんが2mほど吹っ飛ぶ。ラガさんの木刀の先の方を踏みつける。これでてこの原理によりそう簡単には持ち上げられなくなる。そしてラガさんの喉元に木刀の先を向ける。
「あー俺の負けだ。お手上げ。降参」
ラガは木刀から手を放して、降参ポーズをとった。僕が木刀を喉元から放した瞬間に、木刀の先を踏みつけている方の足首を蹴り、そこから木刀を取ってから、妖怪のようにサーッと後ろ向きに4足歩行で逃げた。地味にジンジンと痛む。捻挫でもしているんじゃないか
「きっも」
「負けを認めても死ぬまで負けじゃありませーん」
「死にたいなら殺してあげるよ、DIYで断頭台でも作ってあげようか?」
「こっわ。人の心ないんか?」
「消してるので」
「きっも」
そんな話をしながら木刀を交わらせるが、ラガが手加減しているのがわかる。ラガは致命傷になるところは寸止めしてくれている。それと彼は通常蹴りなどは使わない。たぶん最初は結構な雑魚だと思われていたのだろう。
手加減していてもラガは強く、今は手にあった木刀も吹っ飛ばされて、壁に追い詰められて、のど元に木刀の先がある。
「負けた。流石にもう勝てないわ」
「やっと終わった。」
——〘爆弾魔〙。戦闘に不要な感情の消去。オフ。決定。
ラガはカランと木刀を床に置いて、ドカリと胡坐をかいて座った。
「お前強いな。」
「あなたが手加減しているとわかるくらい手加減をして負けるくらいの雑魚ですよ。」
「手加減してるのがわかるなら雑魚じゃない。過小評価しすぎだ。そしてまず1手目のあれに反撃できる時点で相当強い。その年でこれはとてもすごいんだ。誇っていいぞ。この平賀 源内が言うんだからな」
「あんた平賀源内だったのか」
「えっ、知らなかったのか。まぁ仕方ないよな歴史の教科書の俺の肖像がそこまでイケメンじゃないし。今ちょんまげじゃないし。誰も能力者だと思わないよね。ラガってあだ名があるのに。」
「ラガって平賀のラガなんですね。」
「ひどいよね。」
「嘘ですよね」
「なんで?今『めっちゃ理解した』っていう顔してたけど。お前、俺をどういう人だと思っているんだ?」
「〘変異者〙っていう力を得たせいで脳内お花畑になっちゃてるかわいそうな人」
「違うわ。変異者だったら25歳で見た目の年齢が止まるんだわ。お前も30歳くらいになってごらん分かるから!」
あぁ、なんてかわいそうな人なんだろう。自分の事をかっこいいと思っちゃてる人だ。もはや救いようがないな。
「その顔やめろ。萩野さんが最初にあった時から見た目変わらず、25歳くらいだろ?」
「いいや、あの人見た目は20歳くらいの見た目ですよ。」
「‥‥あの、若作りが」
「じゃぁあの人何歳なんですか?」
「1500歳は越えてるはずだぞ。」
「くそばばぁ‥‥」
「やめとけ、1500歳を超えてるって他の言い方にすると、1500年以上生きていけるくらい強いんだぞ。聞かれていたら俺たちが殺されるぞ。それとここにも同じ年の同じ日に生まれているやつがいるんだ。そいつに聞かれても俺たち死ぬぞ。」
「ゲンゲンどうしたの」
後ろから女性の声がして一気に振り向くと、そこには真ん中が黄色の、星のような形の花のピアスをつけた美女がいた。
「安心しろそれはこいつじゃない。」
よかった。命拾いした。
「あぁ、旭さんの年齢を教えてほしいの?えっと、旭さんは…千八百‥‥」
「あぁ、ごめん。大丈夫です。流石に聞いたら僕が殺されるんだけど。」
「じゃぁいうね」
そう言ってフフッと笑った。
「ねぇ、少年。ゲンゲンが年齢の話をしていたよって密告してもいい?」
「自殺志願はしていないので。」
「そうかそれは残念。」
本当に残念そうな顔で下を向いた。流石に冗句であってほしい。
「少年。新顔だね。自己紹介でもしようかな。〈?〉の名前は井口 花。能力は〘ICT〙。よろしく。」
「僕は畠中 幸人って言います。能力は〘爆弾魔〙です。」
「よろしくね。加藤君」
「なんで、わかったんですか?」
「乙女の秘密ってことで。」
ウィンクして舌をちらりと出した。20代半ばだろうが、自然体の可愛らしさがあり、小悪魔的な愛嬌が板についているからだろうか、イタい感じの女性にはなっていない。
「まぁ、こういうやつだ。深入りすぎると結構面倒な奴だから。駄菓子でも与えていれば静かになる。」
どこからか取り出したかわからないポテトチップスの袋を開けると、スッとポテトチップスを袋ごと消えて、ふすまの向こうに走って行く音が聞こえた。
「あぁいうやつだ。」
なぜだか、既視感に襲われたのは気のせいだろう。
「彼方様のところに行かないか?」
「‥‥」
「無口だなー。職員室で嫌いな先生と自分しかない状態くらい気まずいんだけど。」
隙が無い。こんな風に軽口をたたいている最中すら、隙が無い。僕が、今けりを炸裂させても、片手で受け止められる自信がある。
「おまえ、ずっとすきを窺っているだろ。無理だよ。お前には。」
いきなり立ち止まって僕の方にくるりと振り返ってからそういった。
「お前の殺気はわかりにくいよ、でも、知らない間だけなんだ。知ってしまえば即座に対応できてしまう。お前は今、軽くジャンプして俺の頭をキックでぶっ飛ばそうとしただろ。違う?」
「‥‥あってますよ。」
「なんでわかったかっていうと、歩幅が少し変化したのと、少し床がきしむ音がした。つまりそこに力を入れたという事。足に力を入れて、何をするかといえばジャンプ。つまりジャンプして何を狙うか、頭か背中。この二択の場合背中は蹴った後に床に倒れやすい。つまり狙うとしたら頭ってなるんだよ。柔道も剣道も守破離。やっぱり、これが大切なんだよ。君はまだ、守から軽く破に行っているだけで、離には程遠いの。だから、これから俺がお前に稽古つけてやる。そしたらもっと強くなれる。離から先は、お前がどうするかにかかっていて、離は俺が教えても意味がない。お前なら、もっと強くなれる。でも、ただで教えるわけにはいきません。」
「何が欲しいんですか?金ですか?情報ですか?地位ですか?裏切りですか?」
「いいや、‥‥彼方様の相手をしてやってくれ。」
「‥‥」
「彼方様いつも一人で遊んでいるんだぞ、ずっと、年が近いともいないし、人間とは変異者だからあんまり分かり合えないだろうし‥‥だから君にそれを頼みたいんだけど。」
「分かりました。条件を飲みましょう。どれくらいの頻度で?」
「週に2~4回できるなら、もうちょっと来てほしいけど。それでどう?」
「問題ないです。」
「じゃぁ、契約書を書くね。」
即座に紙を取り出し、それにさらさらと筆で書いていく。
「ここにサインして。」
そう言われて、平賀さんから借りた筆でサインを書いた。
「じゃぁ、契約完了。よろしくね」
平賀さんが出した手を握った。
「じゃぁ、彼方様のお相手よろしく頼んだ。」
そう、言うなり平賀さんは即座に走って階段を下りてしまった。仕方なく、彼方がいる天守閣に登ると、ふすまが破れていた。
中に入ると、怒っている彼方と、めちゃくちゃな方向に腕が曲がっている人形があった。そこからいきなり、ブチッと腕をもいだ。