認知症
認知症とは、さまざまな原因で記憶や思考などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障をきたすことをいいます。
私はまだ小学6年生だった
親の代わりに私を育ててくれた祖母が
認知症になったのは
いつものように朝起きて
祖母に「おはよう」と言ったら
「あなた誰?」
と、言われた
いつかなることは分かっていた
もう歳だから
でも
「おはよう」よりも先に
その言葉を聞くのは
心が痛かった
介護施設に入ってまもなく
久しぶりの面会
祖母は私のことを覚えていなかった
私は涙をこらえた
たくさん人がいる中で泣くのは
恥ずかしかったのかもしれない
介護の担当さんに呼ばれて
いつも祖母が寝ている部屋でお話をした
私がまだ小学6年生ということもあって
担当さんは気を使ってくれた
だけど
目の前に出されたお菓子を
食べる気にはなれなかった
沈黙が続いて担当さんが
「知ってますか?」
といきなり問いかけてきた
「認知症は───」
「好きな人から忘れてしまうものなんだ」
私は泣いた
祖母が認知症になってからずっと
ずっと不安だったから
1番近くにいたのに
1番最初に忘れられてしまうなんて
嫌われていたのかと不安になって眠れない夜もあった
だから
担当さんの言葉を聞いて
堪えてた涙が
溢れて
部屋に私の泣き声が響いた
恥もなくて
感情に任せて泣いた
嬉しかった
でも…やっぱり
また名前で呼んでほしかった
「おばあちゃん…」
「嫌いでいいから…忘れないでよ…」
コメント
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親の代わりに育ててもらった祖母に忘られてたら悲しいよね
親の代わりに育ててもらったって事は親はもう居ないんだろうな…… そこで祖母の認知症でこれは辛すぎる