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大森視点
『今お時間大丈夫ですか?』
あまりにも簡易的ではっきりとは用件を伝えない、
突然のLINEに驚く。
その送り主は星崎だった。
よく分からないが、
とりあえず「大丈夫だよ」と伝えると、
即座に返事がくる。
『会いたい』
とーーーーー
短い言葉ではあったが、
彼が助けを必要としていることは、
はっきりと伝わってきた。
今どこにいるのか聞くと、
どうやら病院にいるらしいので、
俺は車で向かった。
病院の正面玄関付近で彼が待っていたので、
路肩に寄せて彼を車に乗せた。
その時になってようやく目が合う。
が、
すぐに逸らされる。
あれ?
何だろう。
僅かすぎて見逃してしまいそうなほど、
小さな異変なのだが、
表情をあまり見せないようにしていた。
まるで仮面を貼り付けるみたいに、
感情を意識的に隠そうとしているような、
ごく若干の違和感があった。
気のせいならいいがーーー
「またなんかあったでしょ?」
本当はこんなことしたくないが、
彼にカマをかけてみる。
「え?
なんか⋯優里さんみたい」
その言葉ではっきりと確信した。
アンチにショックを受けた時以上に、
今の方が窮屈というか、
なんとも息苦しそうにしていた。
明らかに何かある。
でも本人から聞きたい。
無理やり問い詰めるのは、
出来れば彼が本気で隠そうとした時だけにしたかった。
「今日病院で今後もしかしたら、
突発性難聴になりうる予備軍だと言われて、
5年間の経過見守りを要求されました」
「⋯⋯⋯⋯っ!?」
感情も抑揚もない事務的で淡々とした声のまま告げられた。
突発性難聴ってあの難病指定されているやつだよな?
今はまだ発症していないから、
問題なく音楽の世界にいられる。
だがもしもその5年以内に問題が起こったら、
発症してしまうのだろうか?
誰よりも音楽を愛している彼の耳から音が消えたら、
どうなってしまうのだろうか?
引退?
自殺?
俺はどんなことが起こっても彼を守り抜けるのだろうか?
言いようのない不安と焦燥感が全身にまとわりつくのを感じた。
血の気が引く思いとはどこか違う、
心だけではなく体ごと闇に葬られてしまうような、
そんな例えようのない恐怖心にドップリと支配される感覚が近い。
「それ聞いた時めちゃくちゃ怖くて、
主治医の前で泣いちゃいました。
でもそのあと優里さんじゃなく、
どうしてか大森さんに会いたくなりました」
え?
聞き間違いか?
優里さんとの関係が一番長いはずなのに、
どうして俺?
一緒に過ごした時間なんてまだ短い。
それでも俺を頼ってくれたのは純粋に嬉しかった。
ただ頼った理由がはっきりしないのは、
いまいち釈然とはしなかった。
雫騎の雑談コーナー
はい!ということでですね。
無自覚鈍感ちゃんのTASUKUによーやく!
大森さんへの好意が芽生え始めるという、
なんとも中途半端な所で終わってますな。
そろそろ二人をどうにかよりイチャつかせたい所ですね。
んじゃ本編っす〜
不調の原因がわかり、
スッキリするかと思いいきや、
まさかの検査結果を突きつけられた星崎。
受け入れるって難しいですよね。
すんなり受け入れられる時もあれば、
その時の体調とかメンタル面によっては、
認めたくない時もありますから。
真面目すぎてちょっと重い話になりすぎましたかね。
次回の雑談でまた!
ではでは〜